HOME ReportLive Reportcinema staff「two strike to(2) night~バトル・オブ・クアトロ~」@NAGOYA CLUB QUATTRO 2018/06/06

cinema staff「two strike to(2) night~バトル・オブ・クアトロ~」@NAGOYA CLUB QUATTRO 2018/06/06

長年の関係性を物語る、互いに示すそれぞれの敬意

CDデビュー10周年イヤーのcinema staffが6月から9月の4カ月にわたって、月に1回ずつ東名阪のCLUB QUATTROを回る「デビュー10周年ライブシリーズ two strike to(2) night~バトル・オブ・クアトロ~」。6月公演のゲストに迎えられたのは、付き合いの古い先輩バンド・9mm Parabellum Bulletだ。

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先攻は9mm Parabellum Bullet。「Black Market Blues」で火蓋を切り「Cold Edge」「新しい光」と連投すれば、目の前に広がるのは待ってましたと言わんばかりの熱狂だった。どの曲もイントロが鳴り出した途端、歓声が湧き上がる。初っ端からホーム感のある空間が作り上げられていた。菅原卓郎(ヴォーカル/ギター)が「cinema staffの10周年を祝いしに来ました!」と挨拶をし、新曲「キャリーオン」へ。続けて菅原に促されクラップが鳴り響いた「反逆のマーチ」では、中村和彦(ベース)が何度もステージ前方へと身を乗り出し、オーディエンスを焚きつける。「~バトル・オブ・クアトロ~」と名付けられたツアータイトルにふさわしい、手加減なしのステージング。cinema staffと長い付き合いのある先輩という関係性もあるからこそ、“10周年の祝い”と称しながらも貫禄のある音像で迎え撃つのだった。

一息つき「名古屋において9mmとシネマの組み合わせというのは、いろいろあった」と菅原が語り出す。cinema staffがCLUB ROCK’N’ROLLでのライヴを行う際に、当日まで本人たちに知らせることなくオープニングアクトとして開演時刻に姿を現すというドッキリをしたこと。初めてシネマと出会ったのは辻友貴(ギター)と名古屋のレコード屋で、まだ彼は10代だったこと。「『9mmが好きなんです』って言われて『ありがとう』と答えてから10年経て、こうやってライブをやるなんて不思議ですね」と振り返った。

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〈シネマと僕はついてる〉と歌い熱気をさらに引き上げた「ハートに火をつけて」、アグレッシブな演奏で勢いが加速し続けた「太陽が欲しいだけ」を経て、鳴らし始めたのは「HYPER CHANT(cinema staff)」のイントロだ。粋な計らいで見事な大合唱を生み出し、菅原は「美しいぜ!」とオーディエンスを賞賛。高揚が渦巻く中でカウントをして「Talking Machine」をラスト曲として披露した。かみじょうちひろ(ドラム)の華麗なドラミングに興奮は高まる。「じゃあ、シネマ(のライヴ)を楽しもう!」と菅原の言葉を残し、颯爽と9mmはステージを去った。

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先輩・9mm Parabellum Bulletのステージを引き継ぎ、姿を現したcinema staff。ギターを鳴らして飯田瑞規(ヴォーカル/ギター)が「cinema staffです、どうぞよろしく!」と告げ「overground」でスタートを切った。今回のツアーは東名阪それぞれで各メンバーがセットリストを組み、ここ名古屋を担当したのは飯田だ。中盤で〈10年前の自分に会えるとしたらきみは何を言ってあげたい? / 10年後の自分に会えるとしたら僕は何を聴きたいのだろう? / 10年の間に何が変わっちまって何が変わってないんだろう。〉と“10年”をキーワードに展開していき、最後には〈歳をとった僕らは凄くきっと楽しいよ。〉と帰結する歌詞。会場いっぱいに飯田の屈折することのない伸びやかな歌声で響き渡れば、CDデビュー10周年を迎えた現在における、cinema staffの心境そのものではないかと思えてくる。手を休めることなく続けて演奏した「AMK HOLLIC」では勢いを加速させ、三島想平(ベース)が「来い、名古屋ー!」と煽ったかと思えば、辻友貴(ギター)は柵に足をかけオーディエンスと顔を見合わせ、天井知らずの熱狂を生み出した。

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この日のcinema staffは対バン特有の熱と熱とのぶつかり合わせ、全身全霊で立ち向かっていく演奏というよりも、喜びに満ち溢れているライヴをしていたと思う。それは長年付き合いがあり、尊敬する9mm Parabellum Bulletを迎えたからなのだろう。cinema staffらしい直情的なステージングを繰り広げながらも、手加減なしの演奏を披露した9mm Parabellum Bulletに対しての敬意を感じるステージングが目の前で繰り広げられていた。MCで「卓郎さんを見ると泣きそうになる」と語り出した飯田。器が大きい人であり、そんな大人になりたいという。そして、とある打ち上げでヴォーカルとして何が大切なのか質問した時に、ちゃんと答えてくれた菅原の言葉が今でも残っていると打ち明けた。「『ステージで一番堂々としてることだよ』。この言葉がすごく心に響いて、今でも大切にしている」と、当時を噛み締めながら飯田は熱い想いを語る。飯田だけでなく他のメンバーからも声が上がり、それほど9mm Parabellum Bulletの存在はcinema staffにとって大きなものであるを感じずにはいられなかった。

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「制裁は僕に下る」「小さな食卓」と連投し、後半戦へと差し掛かり「9mmに愛を込めてカバーするので、聴いてもらってもいいですか?」と披露したのは「Termination」。cinema staffなりのサウンドでオーディエンスの興奮を掻き立てる。そして大合唱が会場中に響き渡った「HYPER CHANT」を経て、「first song(at the terminal)」で本編ラストを迎えた。アンコールにも応え、辻がその場でセレクトした「想像力」をプレイ。三島が「この10年いろいろと合った。続けていることで見えてくるものがあるけれど、僕たちはやれるだけやるので、30代・40代・50代になってもライヴに来てください!」と約束を交わし9mm Parabellum Bulletのカバー「Talking Machine」で別れを告げた。途中で菅原がステージに現れ、飯田と歌ったり、辻にグッズのキャップを被せたりする場面も。飯田曰く、cinema staffにとって節目節目で助けてくれる先輩9mm Parabellum Bulletとのバトル・オブ・クアトロは、お互いの長年築き上げてきた関係性を感じる時間だった。

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(文:笠原幸乃 写真:石崎祥子)

セットリスト

【9mm Parabellum Bullet】
1. Black Market Blues
2. Cold Edge
3. 新しい光
4. キャリーオン
5. 反逆のマーチ
6. 生命のワルツ
7. ガラスの街のアリス
8. Discommunication
9. ハートに火をつけて
10. 太陽が欲しいだけ
11. Talking Machine

【cinema staff】
1. overground
2. AMK HOLLIC
3. 返して
4. sea said
5. エゴ
6. 熱源
7. 小さな食卓
8. 制裁は僕に下る
9. シンメトリズム
10. Termination(9mm Parabellum Bulletカバー)
11. HYPER CHANT
12. first song(at the terminal)
EN1. 想像力
EN2. Talking Machine(9mm Parabellum Bulletカバー)

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