HOME ReportLive Report島ぐるみで作る新しい島祭り・家族で楽しめる『篠島フェス』

島ぐるみで作る新しい島祭り・家族で楽しめる『篠島フェス』

今回で5回目の開催となった篠島フェス。参加すると売れる、という都市伝説的もあるこのフェスの会場は、人口1,600名ほど、文字通りの「島」である。かつて吉田拓郎がアイランドコンサートというオールナイトのイベントを開催した地でもある。その伝説の島で、5年前に「篠島フェス」は始まった。これまでに参加した人から「ゆるい」「楽しかった」という声を聞いていて、ずっと興味があったフェスである。距離的にもそこまで遠くはない。フェスの規模としても決して大規模ではない。それならば、初めて家族参加するのにはちょうどいいのでは? あとは普段自分ばかり楽しんで(実際は撮影とかで奔走しているのだが。。。)いるので、たまには家族も連れて行ってあげたいという自分のエゴもあり、5歳の娘、2歳の息子も連れて、家族4人で初の篠島フェス参加となった。

篠島フェス

まずは宿の手配。島はそれほど大きくはないので、歩こうと思えば歩けるが、坂道も多い。小さい子供を連れて歩くのはそれなりに苦労する。会場近くの宿が取れていれば、本当に楽に移動できるし、いざとなったら宿で休憩できるので、参加すると決めたら早めに近くの宿を押さえるのがオススメ。私たちは行くと決めたのが遅かったので、会場から離れた高台の宿を手配した。島内には「乗り合いタクシー」(300円/1回)があるが、営業時間が9:00~18:30という。キャンプがあるわけではないので、何かあったときの避難場所もかねて、今回は自家用車ごと、カーフェリーで乗り込むことにした。

篠島フェス

島に上陸し、「島の駅」に車を置いて荷物一式と子供をキャリーに乗せ、いざ会場へ。島の駅から徒歩数分の距離なので、移動はとても楽チン。ちょうど会場についたときはむぎ(猫)のライブ中。猫の着ぐるみというだけで子供の心をつかんでいた。

篠島フェス 篠島フェス

篠島フェス

会場は、芝生広場なのでレジャーシートと椅子を用意すれば問題ないのだが、何せこの時期は暑い! 2日とも快晴にめぐまれたのはいいのだが、会場は防風林に守られたエリアなので、あまり風も通らない。メイン会場は原則サンシェードNGなので、帽子、熱中症対策は必須となる。主催者が用意するテントもあるが、個人用のレベルなので、自前で対策をしていかないとかなり厳しい。特にベビーカーを使用する場合は、熱気がこもらないように携帯用扇風機をつけてあげるなどをしないと危険を感じるほどの暑さだった。ひとまず簡単に食事を済ませようと、「ホットドック」と「冷やししらす汁」をチョイス。「冷やししらす汁」はほかのフェスではあまり見かけない、ここならではのメニューというのと、暑い中でもさらりと食べられるのが有難い。

かなりの酷暑で着いた時点でヤバイと感じていたことと、子供には「海のある島だよ」と伝えてあったこともあり、早速「海に行きたい!」攻撃が始まったので、着いて早々にメイン会場を離脱してビーチステージへ移動することに。ビーチステージは海水浴場なので、海と音楽が一緒に楽しめる。海の家で食事もできるし、温水シャワー(1回300円)を借りられる施設も充実している。海は正直そこまで綺麗とはいえないが、遊ぶにはちょうどいい。毎年海には行っているが、今年は海とフェスに一緒に行けてしまったというお得感があった。

篠島フェス

しっかりと海を満喫し、夕方になって再度メイン会場へ戻ると、マキタスポーツのステージ中。下ネタ全開のステージに、分からないながらにしっかりと拍手で応える息子にびっくり。

篠島フェス

会場内には「こども広場」があるので、子供を連れて遊びにいくことに。ここでは塗り絵やダンボールにお絵かきができる。ボランティアスタッフが子供目線で遊んでくれることもあって、子供たちも大喜び。ひたすら何かわからないお絵かきをしていたり、ダンボールを組み立てて中に入ってみたり。普段はあまり汚さないように小うるさく言ってしまいがちなのだが、この2日間は黙認。多少汚そうが悪さしようが好きにさせてあげていた。それが気に入ったのか、娘は何度も何度も「こども広場に行こう!」とお気に入りの様子だった。

篠島フェス

メインステージでは、すでに来年の篠島フェスにも出演を公言している、ビッケブランカのステージに大盛り上がり。ここで宿の時間もあるので、会場を後にして宿泊先にチェックイン。さすがに島の宿だけあって、食事は海の幸満載。普段から魚大好きな子供たちも喜んで食べていた。散々はしゃいでいたこともあって、食事と風呂を済ませて部屋に戻ると、早々に撃沈。明日はもう少し暑さが緩んでくれることを祈りつつ…

篠島フェス

2日目も快晴。昨日よりも暑くなるという予報に戦々恐々となる。もともと17:45発のカーフェリーを予約していたので、それまでの時間をどう楽しむか。少しプランを変更し、基本は会場のこども広場で遊びつつライブも楽しむ。お昼だけ、会場外の外に食べに行く、という流れに変更した。

少し遅めの10時に会場入りすると、この日もすでに猛烈な暑さ。前日を越える勢いで、強い日差しが降り注ぐ。早速子供はこども広場を要望するので、2人を連れてお絵かきをすることに。昨日作ったダンボールの箱が残してもらえていたので、そこに塗り塗りしていく娘。この日のボランティアは、ほとんど子供に話しかけることもなく、遊び方を教えてくれることもなかった。置いてある塗り絵やダンボール、絵の具を使って、思いのままにお絵かきしていく。しばらくして、超能力戦士ドリアンのステージ、には恐竜の着ぐるみを着たボーカルが! これには息子も大喜び。ずっと着ぐるみに見入っていた。

篠島フェス

昼食の時間になったので、一度会場を後にして近くの食堂へ。島の名物・しらすを食べようと「魚菜食堂」に向かう。ちょうど昼食時間なので、少し並んだが、「しらす丼のハーフ(釜揚げと生)」と、「おおあさり」、「ふぐの刺身」を注文。ちょっと提供までに時間がかかったが、待つだけの価値あり。普段食べるものよりも鮮度もうまみもあって、子供にも大好評。

篠島フェス 篠島フェス

昼食を終えて会場に戻ると、ちょうどADAM atが始まろうとしているところ。ここで息子は睡魔に負けて撃沈。容赦ない日差しのもと、大はしゃぎで遊んで食べて、そのままうとうとと寝てしまった。会場はそれほど広くなく、スタッフも大勢往来している。救護班の方が寝ている息子を心配して、「大丈夫ですか?氷嚢あるので必要なら言ってくださいね」と声をかけてきてくれた。この日の暑さは本当に厳しく、運営からは熱中症対策として氷嚢が配られていた。こういったささいな心遣いがとても嬉しい。おかげで妻も安心して息子を寝かせつつ、ライブも楽しむことができたようだ。

篠島フェス 篠島フェス

その間、娘は再びこども広場へ。同じくらいの年齢の子供に、「一緒に遊ぼう」と声をかけ、水性絵の具で手も服もいっぱいにしながら必死にお絵かきに励んでいる。普段、仕事ばかりで構ってあげられないが、子供と一緒にこの空間を体験できるのは非常に嬉しいし、いつの間にか出来るようになっていること、お友達をいたわる心が養われていることなど、子供の成長をいたるところで感じることができた。そんなことを思いつつ、ADAM atのライブを(音だけだが)満喫できた。

篠島フェス

あまり遊びに夢中になると水分補給を忘れるので、一度水分補給のために妻と合流。氷嚢を多めにもらって、首筋を冷やしてあげたり、頭を冷やしてあげたりして休憩させる。まだ寝ている息子を余所に、元気いっぱいの娘をなだめつつ、Kan SanoをBGMに水分補給というのも贅沢。ようやく起きた息子を預かり、妻と娘は再びこども広場近くの大道芸人の店に向かう。妻とMichael Kanekoで踊ったり、大道芸人の店で大きなシャボン玉を吹き出す機械を見せてもらったのが嬉しかったらしい。

篠島フェス

植田真梨恵のライブでは、シャボン玉を持ってステージ前まで突撃。シャボン玉を量産していた。この時間帯になると少し風も出てきて多少過ごしやすくなった。

篠島フェス

篠島フェス

カーフェリーの時間が近づいてきたので、荷物をまとめて撤収の準備。車に荷物を積み込んだ後で、少し時間があったので会場内で一緒に記念撮影。家族で来た思い出もしっかり残しつつ、時間の許す限り吉田山田を遠くから感じて、会場を後にした。

篠島フェス

カーフェリーの時間上、最後までいられなかったが、娘は「猫ちゃんかわいかった」としきりに話してくる。息子は興奮した様子で船から島を指差していた。初めて家族で参加するフェスとしては、篠島は気軽に参加できる距離にあるフェスだと思う。ただし、暑さだけはしっかり対策しないと本当に厳しいので甘くみてはいけない。それを差し置いても、フェスの規模、働く人たちの優しさや人柄、島ならではの海産物など、ほかのフェスではなかなか体験できないことも多い。また、地元島民と主催者が一体となっている、島にとって新しく1つの「祭り」を作っている感覚を覚えた。商業的な面が前面に打ち出されていないこともあるのだろう。

フジロックフェスティバルやライジングサンロックフェスティバルなどのキャンプフェスはハードルが高くてなかなか行けない、という方は家族で楽しむ夏のフェスの候補に、ぜひ来年は「篠島フェス」も検討してはいかがでしょう。島から見る夕陽は、なかなか見られない絶景です。

篠島フェス

(ライブ写真・会場写真:オフィシャル提供 文・写真(一部):古川喜隆)

Official Site

https://shinojima-fes.jp/

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