HOME ReportLive ReportLAMP IN TERREN 「ONE MAN TOUR 2018『MARCH』」@RAD HALL 2018/04/15

LAMP IN TERREN 「ONE MAN TOUR 2018『MARCH』」@RAD HALL 2018/04/15

「これからの僕たちに期待してほしい」等身大の言葉で約束する未来での再会

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4月21日のツアーファイナル東京公演を最後に一時的に活動を休止することを発表した、LAMP IN TERREN。昨年末より声の不調を感じていた松本大(ヴォーカル/ギター)が検査を受けたところ声帯ポリープが発覚し、切除手術を受けることを決断した。当時のコメントでは「大切にしたい 今 すら蔑ろにしてしまいそうで 手術を受けることを決めました。バンドが良い進化を続けている 今 から離れるのは正直怖いです」と打ち明けながらも「この先に何があるのかも知りたいです。高く飛べると信じます」と彼なりの言葉が綴られていた。逃げることなく今の自分を受け止め、進んでいく姿勢――「余すことなく全てを置いていきます」、その言葉通りに今のテレンを刻みつけた名古屋公演のレポートをお届けする。

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客電が落ちると、松本がステージに現れた。ピアノを弾き、歌い始めたのは「花と詩人」。活動休止前の名古屋でのラストライヴということもあって、フロアには緊張感を含んだ空気が漂う。お互いの気持ちを手探りあうような中で中原 健仁(ベース)・大屋真太郎(ギター)・川口大喜(ドラム)が加わり、目の前がすっと晴れていくサウンドスケープが描かれた。“今日はいい日になる”と確信させてくれる音像だった。ピアノの音の余韻が残るまま、「涙星群の夜」へ。弾き語りから大屋のギターフレーズを合図にして厚みのあるバンドサウンドへと移り変われば、松本は手を高く挙げオーディエンスを焚きつけた。初っ端から叫ぶように歌い、力の限りを尽くす熱いステージングに歓声が沸き立つ。充満する興奮を嬉しそうに受け止め、松本はシーっと人差し指を口の前に置き、静まり返ったフロアに向けて挨拶をした。「最高の一日にしましょう!盛り上がっていこうぜ、ついてこいよ!」。その言葉に一段と熱気が上昇し、「ランデヴー」そして新曲の「Dreams」と立て続けに演奏した。

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LAMP IN TERRENは松本の歌があってこそ、輝きを放ち人を惹きつけると感じているが、ここ最近の彼らは松本の歌を中心としながらも、4ピースバンドとしての濃密な音像を作り上げる力量を身につけた。冒頭で引用した松本の言葉にもあるように良い進化を続けている。だから、まさにこれからという時に活動休止を選択した想いは計り知れない。この日のライヴでも松本は苦しそうに歌う場面は何度かあったし、それを気持ちで乗り越えようともしていた。でもその光景に悲観的になって胸が苦しくならなかったのは、今の自分を嘘偽りなく等身大のまま刻みつけてやるという強い意志、前向きな姿勢があったから。「今の声は万全じゃないけど、みんなと共有したかった。今の自分を忘れたくなかった。まだ伝えられていないことはたくさんある。もっと素晴らしいものを届けたい」と生々しく身を削りながら表現する姿。この先の不安よりも、活動休止はあくまでも通過点であると言える未来への自信が勝っているののだろう。松本だけでなくメンバー誰もがその自信を抱く、バンドの誇りを感じた。

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ツアータイトルのMARCHはマーチングから取ったもの。ライヴは4人だけで演奏するのではなく、ライヴに来てくれたみんなと一緒に演奏しているイメージから、今回のタイトルに起用したという。そこでライヴ中盤ではオーディエンスからリクエストを募り、「into the dark」が選ばれた。予想外の選曲に4人は驚き、「歌詞がどこかに行ったらみなさんで捕まえてください!」としながらも、今日だけの楽しさを共有する時間に包まれていた。「進化している今のバンドや自分が好きだった。だから、(活動休止するという)これ以上の逆境はないと思う。必ず会いに来ます。これからの僕たちに期待してほしい」と揺るぎない眼差しで松本は語り、「緑閃光」へとなだれ込む。続けて「地球儀」「キャラバン」と演奏していけばいくほど、大合唱が生まれ、一体感が増していく。気づけば松本が「酸欠だよ、こっちは!」と笑顔で言ってしまうくらい、熱狂の渦が目の前に広がっていた。

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本編ラスト曲を前に、松本が口を開いた。「どんなに辛くて未来が怖くても、メンバーやみんなと一緒なら怖くない。それすらも楽しくなる。もっと今の自分を知らしめたい」と素直な心境を打ち明ける。そして「ずっと好きで楽しいから音楽を続けられているけど、ずっと戦いでもあります。自分にとってはこの曲で終わることがピッタリだと思って選びました。今の戦いを見せます」と宣言して演奏したのは「New Clothes」だった。逆境と言ったこの状況で作り上げた新曲。手術が成功し以前と同じように歌える保証など、どこにもない。100パーセント確実であるなんてものは、この世の中にない。未来が明るいかも分からない中で、今の自分を残したいという想いで曲を作った松本。フロントマンの危機に直面していながら、より一層磨きのかかった音像を生み出した中原・大屋・川口。4人の結束力はこの逆境も味方に出来るほど強いのだ。〈さぁ どんな姿で歌おうか / 決して消えない過去の上に立って / 今 歪なほどに正しい未来 / 嗄れたって 消えない誓いを翳して〉という歌詞はテレンの現状を表しているようでもあり、それを真っ直ぐに歌う松本の姿はとても頼もしかった。さらにアンコールにも応え「メイ(弾き語り)」「portrait」の2曲を披露。「絶対に帰ってくるからな!お前ら、全員を幸せにしてやるからな!」と約束を交わし、テレンはステージを去った。

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来たる復活の日は8月19日、日比谷野外音楽堂での初の野外ワンマンライヴ。バンド史上最大規模のステージでテレンの新たなスタートが始まる。松本が「これほどの逆境や冒険はむしろ心が踊ります。結果がどうなるか今は考えていません。とにかく僕らは次、ここに向かいます。連れていきます。ワクワクしていてください」とコメントに残していることからも分かるように、今のテレンは強い。その日が待ち遠しくなる時間だった。

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(文:笠原幸乃 写真:安藤みゆ)

セットリスト
1. 花と詩人
2. 涙星群の夜
3. ランデヴー
4. Dreams
5. innocence
6. クライベイベ
7. at (liberty)
8. 林檎の理
9. pellucid
10. into the dark
11. 緑閃光
12. multiverse
13. ワンダーランド
14. 地球儀
15. キャラバン
16. New Clothes
EN1. メイ(弾き語り)
EN2. portrait

 


 

LAMP IN TERREN 夏の野外ワンマンライブ「ARCH」

日時:2018年8月19日(日)開場16時30分 / 開演17時30分
場所:日比谷野外大音楽堂
チケット:前売3,900円 / 当日4,400円(全自由・ブロック指定)

詳しくはhttp://www.lampinterren.com/live/#e22270まで

チケットぴあ 中部・北陸

Official Site

http://www.lampinterren.com/

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