HOME MusicInterviewオメでたい頭でなにより メジャー1stシングル『鯛獲る』インタビュー(1/2)

オメでたい頭でなにより メジャー1stシングル『鯛獲る』インタビュー(1/2)

4月4日(水)にメジャーデビューシングル『鯛獲る』をリリースした、オメでたい頭でなにより。“オメでたいコア”略して「オメコア」を武器に活動する、日本一オメでたくて汗だくで騒げる5人組バンドだ。

2016年夏より本格的にバンド活動してきた彼らがついにメジャーデビューする。そのタイトルは『鯛獲る』。大きな一歩を踏み出す一枚であっても、これまで築き上げてきたオメでたい頭でなにより独自のスタイルを貫いた。

今回はメジャーデビューをするにあたっての心境やこれまでの活動を振り返りながら、今作の制作について赤飯(ヴォーカル)・ぽにきんぐだむ(ギター/ヴォーカル)に話を聞いた。

(取材、文、画像製作:笠原幸乃)

 

ネガティブをポジティブに変えて前向きに発信していきたい


――メジャーデビューおめでとうございます。

赤飯:ありがとうございます。でもメジャーデビューするからといって特別な気持ちがあるわけでもなく、何も変わってませーん!って感じですね(笑)。我々の音楽・ライヴを通して笑ってくれる人が一人でも多くなったらいいなと思う、その気持ちは活動当初から何も変わらなくて。むしろメジャーデビューすることによって、より我々の活動を拡大する力が増えたぞと感じています。

ぽにきんぐだむ:僕はまあまあ不安です(笑)。今までは、僕たちが力の及ぶ範囲で曲やライヴを届けていたんですよね。それがメジャーデビューすると、僕たちだけでは届けることの出来なかったところまで力が及んでいく。どんな人が僕たちの曲を聴いて反応してくれるのかな?という期待もありつつ、逆に初めて聴く人へと届いた時に何も響かなかったらどうしよう?という不安もあって。デビュー後にこの気持ちは変わるかもしれないですけど、マリッジブルーみたいな心境ではあります。

――今作を作る際に、その不安の影響はありましたか?

ぽにきんぐだむ:あんまりなかったですね。不安に引っ張られるよりも、制作中はメジャーデビューする一発目としてどうするかを考えていました。今までやってきたスタイルを提示して、それが通用するのか?それとも通用しないのか?というのが一番大事なことで、そこに向き合っていましたね。

赤飯:僕たちのスタイルを貫いている証拠として、大事なメジャー1stシングルのタイトルを『鯛獲る』にした、つまりダジャレを使ってしまった。ダジャレというカードを切ってしまったことによるデメリットって、めちゃくちゃあるじゃないですか(笑)。でもこれが僕たちだし、メジャーデビューするからと言って「バンドの何かが変わるわけではないよ」と今までのファンへの提示の意味も込めているんです。

ぽにきんぐだむ:僕たちがやってきたスタイルをあえて変える必要はないのかなって思うんです。自分たちを変えてまでやることではないので、自分たちを通してみようと、いつも通りのものが出来上がりました。

――オメでたい頭でなによりにとっての、いつも通りとは?

赤飯:「このバンドでどんな曲を作ろうか?」って話し合った時に、「お客さんを笑わしたい」と決まったんです。じゃあ、「全力でふざけてやろう」と活動してきました。だからタイトルも「全力でふざけてやろう」というパッケージの中でのものなんです。でもこれって、ちゃんと土台になる音楽があってなんぼだと思うんですよね。土台になる音楽がぐちゃぐちゃの状態でふざけてたら、もうそれはただふざけてるもので、やる意味がない。我々は音楽好きでずっとやってきてるからこそ、音楽に対するリスペクトがしっかりと表れているものを作りたいんですよね。だから、楽器がちゃんと弾けるのは最低限のマナーだと思って作っています。初見の人からすると、チョケてるんかなって思われるかもしれないですけど、真面目にやってる上でのチョケなんですよね。

――どのような経緯で「お客さんを笑わせたい」という方向性に決まったんですか?

赤飯:自分は何に感動するのかっていうのを軸に考えたんですよね。人に感動を与えたいなと思ったら、もうそれは自分が感動したものでしか与えられないと思ってて。そんな時に、ものすごく明るいメッセージを含んだ音楽を届けてくれてるバンドが、本当は色々背負ってるものがあるんやろうけど、でもポジティブな姿勢を選んで見せてるんだなって感じた瞬間が一番グッときた。じゃあ僕が人に何か影響を与えるんやったら、自分が感動した姿勢である、抱えているネガティブをポジティブに変えて前向きに発信していくことが、自分のやりたいことだと気付いたんです。それがこのバンドの土台の一つになってるんですよね。

――赤飯さんの実体験から生まれた方向性だったんですね。

赤飯:曲を聴いてくれる人やライヴに来てくれる人たちにも、ネガティブをネガティブとして発信するんじゃなくって、ネガティブをポジティブに変える力に気付いて欲しい。それをやることによって、自分からポジティブが周りにどんどん伝わっていって、ポジティブな人たちが増えていく。ポジティブな人が多い方が、世界が楽しくなるんじゃないかなと思うんです。歌うことの意味、音楽をやることの意味、ひいてはどうして生まれてきたのか、自分の使命は何なのかといったところまで考えていって、その全てが結びついてオメでたい頭でなによりの方向性が決まったと感じています。

ぽにきんぐだむ:あとは本格的にバンドを組むことに決まった時、お笑いに振り切ろうとしたら、赤飯の人間性と音楽性が合致して上手く進むようになったのもありますね。彼ってもともと俗にヘイトと言われる、世の中への恨みつらみや不満などマイナスのものをシャウトに変えて激しい音楽にのせるやり方で表現していたんです。でも実際、彼の人間性ではカッコつかないというか(笑)。カッコつけてもカッコがつかない部分もありましたし、面白おかしくしてるのに激しめの曲であるのも整合性があんまり取れてないなと感じていました。

――客観的な視点からの判断でもあったんですね。

ぽにきんぐだむ:そうですね。でも僕だけじゃなくて、他のメンバーもそれぞれの視点で分析していますし、その考え方って僕たちには必要だなって感じていて。なぜかと言うと、10年15年やってきて結果を出してる人たちばかりとライヴで共演させていただいているんですけど、その度に10年以上のキャリアの穴を埋めて太刀打ちできるようになりたいと感じるんです。そのためには自分たちが今どの位置にいるのか考えながら、緻密な計算と技量を持って進んでいかないといけない。短期大学生のスピード感で僕たちは進んでるんです。結果を出している人たちを四年制大学に行ってる人たちだと思って、僕らは短期大学に通っているから、2年という短いスパンで四年大学で習得する技量に追いつこうと、差を埋めようとしていますね。

 

間違いなく今が一番幸せ


――メジャーデビューにあたって発表されたコメントがとても印象的でした。その中でも《”夢を見る”ということがどれだけダサかろうが、愚直に夢を見続ける我々の始まったばかりの逆転劇を見せつけてやるという反骨精神です。》の一文にみなさんの想いが凝縮されているように感じたんです。まずは夢を見ることに対しての想いから聞かせていただけますか?

ぽにきんぐだむ:「鯛獲る」という曲の持つテーマに繋がることでもあるんですけど、この時代で夢を追いかけることや夢を見ることって、あんまり言葉にしづらいような気がするんですよ。夢を語るのって恥ずかしいと感じる人がいっぱいいる中で、ダサいと思われている“夢見ること”を俺たちが先陣切って行って、「どうだカッコいいだろう!」って言えば、もっとより生きやすい社会になるんじゃないかなと思うんです。

赤飯:実は、オメでたい頭でなによりっていうバンド名の“オメでたい頭”っていうのは、夢を見続けている自分への皮肉なんですよ。その皮肉を背負うことで、それでもいいじゃんって胸を張っていたい。

ぽにきんぐだむ:僕たちみたいにいい歳した人間がバカみたいでも夢を追っかけるのってなんかちょっと泣けるというか、ドラマチックなところもあるとは思うんですよね。アホみたいでも提示することによって何か響いてくれる人がいるんじゃないかと、みんなが夢を見てみようと思ってくれる存在でいたいんです。

――コメントには逆転劇・反骨精神というキーワードもありますが、何か挫折や打ちのめされたことがあったからこそ出てくる言葉だと思うんです。その背景として、具体的にどのようなことがあったのでしょうか?

赤飯:ボーカロイドの曲を歌っては動画としてアップをする活動をしている中で、僕はずっとバンドやりたかったんです。動画をアップする頻度が下がっていくと聴いてくれる人が離れていくけど、バンドをやりたい想いがあったから、動画を投稿することが出来なくなっていった。自分の言葉で歌いたい、自分の音楽でちゃんと人に影響を与えたいっていう気持ちが強かったんですよ。

――赤飯さんが動画サイトで活動されていた時代は、ボカロPの曲をカバーすることが主流でしたよね。

赤飯:僕はバンドで作り上げる音楽が好きだからというのもあるんですけど、人の曲ばっかりずっと歌ってたところで「じゃあ、お前の想いって何なの?何でお前は歌ってんの?」ってなってくるじゃないですか。そう思い始めてしまって、僕はだんだんモチベーションが下がっていっちゃったんですよね。「何やってんやろな?」ってやる意味が見えてこなくなって。だから自分の言葉を伝えられるバンドをやりたい。でもバンドが組めない。そんなもがきの中でいろんな挫折があって、泥雑巾や搾りかすみたいになってた時期に今のメンバーと出会ったんです。「これがラストチャンスや!」とオメでたい頭でなによりっていうバンドができたこと、このバンドを続けていくことが逆転劇になっていくと思っているんです。

ぽにきんぐだむ:僕は17歳ぐらいから音楽をやってるんですけど、上手くいくこともあれば上手くいかないこともありました。人に騙されることもありましたし、信じ合ってた仲間が離れていくこともあったり。そうやって色々とあった中で、やっと今のメンバーと一緒にバンドが組めた。仲間を信じていけるような状況になったってことが、逆転劇や反骨精神という言葉に詰まってますね。音楽って強いられてやってることじゃないので、「儲からなかろうが誰かに裏切られようが、別にそれってあんたが選んだ道じゃない」と思うかもしれない。でも人生って選んだものの重さや種類じゃないと思うので、人となりが見えるように人生を歌っていくバンドにしていくためにも、このコメントを発表しました。

――それぞれのバンドへの想いからの反骨精神であり、その想いが重なって、オメでたい頭でなによりというバンドが生まれたんですね。これまでの活動はいかがでしたか?

赤飯:今の人生で一番楽しいですよ。実際叶えたかった夢が一つ形になって、その夢の中で自分の想いを発してるわけなんで。やりたかったことが出来てるんで、間違いなく今が一番幸せですね。これで良かったんや、やっと自分がやりたいこと、やるべきことが見えたなって思えています。だから、今までよりも自分のことを肯定できるようになりました。

――ずっと思い描いていた夢が一つ叶ったことで、赤飯さん自身に変化があったんですね。

赤飯:そうですね。以前はそんなに自信のある人間じゃなかったんですよ。自分の想いを伝えられるこのバンド活動がちゃんと自信に繋がって、自分自身が存在していてもいい理由になってきてるのかなと思いますね。バンドを続けていくことでお客さんに生きる力をもらっているし、それが自分自身を肯定できることにもなっている。もちろんお客さんの笑顔を増やしていけているなという実感もある。お互いがそうやってプラスのサイクルを作っていける関係を築けていることは、本当に嬉しいです。

 

▼後編へ続く▼

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Official Site

http://www.omedeta.band/

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