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Monaca yellow city『wannabe』インタビュー

Monaca yellow cityが1stミニアルバム『wannabe』をリリースした。「ずっと出したかった」という念願のアルバムは、全5曲収録。ほぼ新曲が揃った今作は、モナカの現在地を感じることの出来る一枚だろう。

2018年1月14日(日)に新栄live&lounge Vioで行った、記念すべき『wannabe』のリリースパーティー「メローイエローvol.1」では、「ついにこの日が来たね!」と満面の笑みで語る近藤圭晃(ヴォーカル)の姿が印象的だった。モナカらしいふわっとした空気感の中で、リズム隊が生み出す硬質なサウンドにキャッチーなギターフレーズがのると、観客が自由に踊る光景が広がる。様々な電子音とバンドサウンドとの融合は実に心地良く、独自のグルーヴを作り上げていた。“モナカで鳴らすことが楽しい”という気持ちが、メンバー各々から感じ取ることが出来るような時間だった。

リリースパーティーを終えた後日、近藤・なみ(ギター)の2人に1stミニアルバム『wannabe』について話を聞いた。

(取材、文、画像制作:笠原幸乃)

 

ちゃんとみんなが主役になれるように


――リリースパーティー「メローイエローvol.1」、お疲れさまでした。とても温かいイベントでした。

近藤:ありがとうございます!もうすでに早く第二弾をやりたいなって思ってますね。自主企画をするのは初めてだったんですけど、一回やってみたら次はこういうこともああいうこともやりたいって、アイディアが出てきています。

なみ:今回出演してただいた方々(ORLAND / ビビビビ / THE FREAKS / TOXXIES / DJ nogaito yu (Synchronized Rockers))は、メンバーみんな大ファンなんです。「好きです!ずっと聴いてました!」って、自分たちの音源を一緒に渡しながらアピールして。受けてくださることに決まった時は嬉しかったです。

――イベントを決めたのはいつ頃だったんですか?

近藤:去年の夏ぐらいです。初めてVioに入った時に「こんな楽しいところあるんだ!」ってメンバーと話をしてから、いつかVioでライヴやイベントをしたいと思っていたんですよね。当日も言ったように先輩たちの力を借りて出来たイベントでしたけど、ついに念願叶いました。

――今回のイベントは、1stミニアルバム『wannabe』のリリースパーティーでした。初のミニアルバムですが、今の気持ちはどうですか?

近藤:ずっとアルバムを出したい想いがあったので、ようやく出せたという達成感があります。今回は予めコンセプトを決めてから作ったというよりかは、ライヴ活動しながら作っていったんですよね。その中で集まったこの5曲でアルバムを作ろうか、という話になって。「夢の波紋」はバンド初期の曲ですけど、他の4曲は新曲です。

――曲の制作は基本的に近藤さんがデモを作り、バンドでアレンジしていくという流れは今も変わらないですか?

近藤:1曲目の「pale tone」は俺が打ち込みでまるっと作ったものを「これ新曲だから」とメンバーに聞かせる方法でした。ドラムのマキエちゃんから「『ネオンサイン』のようなサウンドの曲がもう一曲欲しいね」と言われて、デモを作りましたね。

「ネオンサイン」(3rdシングル『Neon sign』収録)

近藤:でも今はどちらかと言うと、メンバーで話し合って作っていくことの方が多くなりました。ふとセッションしながら曲が出来上がったり、なみちゃんや智寛くん(ベース・田中智寛)からコード進行のアイディアを出してもらったり。

――初期の頃に比べたら、メンバー間で密なコミュニケーションが交わされている制作なんですね。

近藤:みんなで作っているからこそ、俺が基礎を作っていない曲もあるんですよ。今回だと「1K」は、智寛くんがデモを作ってきてくれたんです。彼はDTMで曲を作り上げることが出来る人なんで、ほぼ完成された状態で持ってきてくれました。自分が弾くベースはもちろん、ギターやドラムなどの楽器もガチっと作ってくるタイプだったので、歌だけ後で俺が入れましたね。

――モナカの曲はバンドサウンドに作り上げる過程を大事にしていると感じています。

近藤:そこは意識しています。いつもみんなヘラヘラしてる感じなんですけど(笑)、その時はMonaca yellow cityが真面目な顔になる瞬間かもしれない。打ち込みだけに頼らないということだけでなく、俺は全体のバランスを見てちゃんとみんなが主役になれるようにしようと考えてます。メンバーそれぞれのこだわりを曲に詰めていくのが楽しいんですよね。みんな、良い音を出すんですよ!だからこそ、みんなの良さを出したい。

なみ:シーケンスの音と歌だけの音楽も好きなんですけど、自分がリスナーとして聴いた時に生感が足りないなって感じてしまうこともあるんですよね。そこに生の音、いわゆるバンドサウンドが加わったら良いなって。だから、打ち込みの音と生で変化するバンドサウンドの両方とも取り入れたものを、バンドでやったら面白いんじゃないかと思って、モナカでは作っています。

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バンドとして作り上げていく方向性が分かった


――今回は合宿もされたとのことで、どうでしたか?

近藤なみ:(顔を見合わせながら)面白かったよね〜!

近藤:レコーディングの出来るログハウスに、3日間泊まりました。初めての合宿だったんですけど、昼間はスタジオでやって、終わった後は夜中まで音楽の話が出来たことが楽しくて仕方なかったですね。テレビの大きい画面でYouTubeを見ながら「ここいうのがいいよね」ってお互いに好きな音楽を聴いてみたり、ずっと音楽の話をしていました。

なみ:みんながどんな音楽を好きか知らなかったから、すごく新鮮でした。「学生の時はこういう音楽を聴いていたんだね」って、それぞれの懐メロについて話したりもして。みんなとは社会人になってからモナカで出会ったので、どんな音楽を通ってきたのか、正直あんまり知らなかったことが多かったんですよね。

近藤:そうだね。スタジオに入る日に少し喋る程度で、バンドの現在的な話はしていたんですよ。みんな、住んでいる場所がまあまあ離れているからなのもあるんですけど。学生時代に何をやっていたかというところまでは話していなかったので、「こんな音楽が好きだったんだ!」って深く掘れたのは良かったなと思います。

――この合宿で出来上がった曲が「wannabe」なんですよね。

「wannabe」(1stミニアルバム『wannabe』収録)

なみ:合宿の前半はいろいろと試行錯誤するのに何も出来なくて、夜にみんなで「疲れちゃったね」と喋っていたんです。その中で適当に「このコード進行好きなんだよね〜」と言ったところから、「それいいね」って会話が弾んで。次の日にスタジオ入ったら「wannabe」が出来上がったんです。

近藤:これは今までで初めてのパターンでしたね。コード進行がいいねという話から、翌日にスタジオ入ったら打ち込みの音とか全部その場で決めていけたんです。10分くらいで曲が出来上がっちゃって、すぐ「さわやか(炭焼きレストランさわやか)行こう!」ってご飯食べに行ったもんね(笑)。

――メンバーそれぞれの音楽背景が分かり合えたことが良い方向へ影響したのかもしれませんね。

なみ:バンドとして作り上げていく方向性が、この「wannabe」で分かってきました。これまでは「シーケンサーの音とバンドの音をどういう風に組み合わせたら、何が一番カッコいいんだろう?」って迷いつつやっていたんです。自分たちの好きな音も入れつつ、かつ他にない音をどうやったらモナカとして良いのか、やっと固まってきたと感じました。

近藤:この先を目指していく上で曲を増やす必要があると考えて、やろうと決めた合宿だったからこそ、前半では曲が出来なくて苦しかったですね。でも後半になってやっと目指す方向が見えた。やり方が分かってきたから、「wannabe」は音を合わせて一瞬で出来たんだなと思っています。

――リリースパーティーで近藤さんが「wannabe」を「これからの俺たちを示した曲です」と言ってたんですけど、この制作の過程から繋がっている想いになりますか?

近藤:「これからやるぞ!」という熱い気持ちを、歌詞に書いたんですよね。だから「これからの俺たちを示した曲です」と言いました。“wannabe”を辞書で調べたら、“夢に憧れる”というカッコいい意味もあるけど、“成り上がり”という意味もあるみたいで。実は去年の夏に、周りからの評価で悔しかったことがあったんです。ライヴもどうやったらいいのか悩んでしまって。そこから少し自虐的に考えて、今の俺たちは“成り上がり”というのが合ってるかなって思い始めたんです。「俺たちは“成り上がり”なヤツらだけど、これから大きくなっていくぞ」っていう決意を込めましたね。まさにみんなで作れた曲だったから、この気持ちを歌詞にしたいって思いました。

――他のメンバーはその歌詞の意図について、ライヴで知ったんですか?

なみ:リリースパーティーよりも前に、ラジオなどでアルバムについて答えている時に、「そうなんだ、なるほど!」って初めて知りました。

近藤:歌詞の意味について、他のメンバーはあんまり興味ないかなって。一応いつも歌詞は出来上がったら渡すんですけど、「もし良かったら読んで」という程度で渡すので、意味までは説明せずに各々で考えてもらえればいいかなと思っています。

――「wannabe」は決意が込められた歌詞ですが、モナカの歌詞はメロディーといかに合わせるか、語感を意識してますよね。

近藤:そうですね、メロディーとの相性はすごいこだわっています。適当に鼻歌を歌って出たワードから広げていくこともあるし、意図的にテーマを考えて作るものもありますけど、相性に引っ張られて歌詞が破綻し過ぎるのは好きじゃない。だから抽象的にしながらも、全体で意味がちゃんと通っているようにしていますね。あと「wannabe」では少し英語を入れましたけど、日本語を大事にしたいなと思って、歌詞は日本語で書くようにもしています。

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目でも楽しむことを『wannabe』で味わってもらえたら


――前作『Neon sign』は、never young beachのアートワークを手掛けるイラストレーター・オオニシアキオさんが描き下ろしたジャケットでしたが、今作はどのようにデザインを決めたんですか?

なみ:今回はメンバー全員で考えました。『Neon sign』のジャケットは、オオニシアキオさんに曲を聴いてもらったイメージで描いていただいたんですけど、タイトルに合わせてくれたのかなって思えるほど本当に良いジャケットで。だからこそ『wannabe』は、自分たちがちゃんと納得いくようなものにしようって、レコーディングよりも一番時間をかけていたと思います。

――メンバーの誰かが撮った写真なんですか?

なみ:これはインドネシアにいる私の友達が、インスタグラムであげてた写真なんです。レコーディングの時にジャケットに合う写真を探していたら、ぱっとその友達のことが浮かんで。ふとその友達のインスタグラムを見てみたらこの写真に行き着いて、みんなで「これだ!」ってイメージが決まったんです。その場ですぐ友達に電話して使っても良いかの確認をしたら「全然良いよ〜」と快くOKしてもらえました。

近藤:カメラやっている知り合いに頼む方法もあったんですけど、日本で撮るということにインパクトが欠けるなと感じていたんです。みんな、ワガママなんで(笑)。誰も海外に行けないし、行く当てもないのに、異国感のあるアジア系の雰囲気にしたいって、悩みに悩みましたね。『wannabe』には発展途上感というテーマがあるなと思っていたんで、そこにも合わさった写真にやっと巡り会えました。

――ジャケットだけでなく、触った時の質感も良いですよね。

近藤:物に対しての想い入れが強いんですよね。写真も、タイトルの色も、中に入っているCDも、そして紙の質感も全てこだわったからこそ、企画の後にインスタライブした時に「部屋に飾りました!」と買ってくれた人からコメントがきた時は嬉しかったですね。冥利に尽きます。

なみ:飾ってくれてるの!? 嬉しい〜!みんな、このミニアルバムは目でも楽しんで欲しい気持ちがあるんです。私はCDを買う時にジャケット買いをするんですよね。外人のめっちゃカッコいいジャケットがあると曲を聴かずに買っちゃうのがあるんで、そういう気持ちを次は私たちのCDで味わってもらえたらなって思います。

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もっとレベルアップして、面白いものを作りたい


――最初にも言っていましたが、今はもう次のことを考えているんですよね?

近藤:そうですね。曲を作るのが好きなんで、一枚作っちゃうと我々は「すぐ次!」って向かっていくタイプなんです。『wannabe』で見えてきたことをもっとレベルアップさせたいなと思ってるし、その方向に進み始めています。

なみ:実はお客さんが「この曲、良いね!」と盛り上がっている時には、「次の曲の方が良いんだけどなぁ……」って思ってたりする(笑)。「今作ってる曲の方が良いんだって!次のを聴いてよ!」って言いたくなっちゃうんですよね。曲を作っているあの瞬間が楽しくて仕方ない。早くいっぱい曲を作りたい派なんで、どんどん新曲を作りたいです。

近藤:俺もそれがあるなぁ。「これ良いよね〜。じゃあ次の作品に行こうか」って、早く次の曲を作りたくなっちゃう。自分たちが盛り上がるのは録音までという(笑)。このスタンスが良いことか悪いことか分からないですけど、俺的にはポジティブに良いことだと思っています。

――最後にこれからの展望を聞かせてください。

近藤:ここまで一区切りと思っているので、これからが楽しみですね。企画はまたやりたいし、音源をYouTubeにもっとアップしたいとも思っています。今回はリリースパーティーとして考えていたことを具体的にやってみて、本当に面白かったんですよね。その経験から、作品やイベントを作りたい欲が前よりもっと出てきていますし。バンドをやってるからこそ、どんどん面白いものをみんなで提示していきたいです。

なみ:確かにそうだね。「演奏面が良くなるといいよね」という声がチラホラあったので、そこはバッチリ出来てきたと『wannabe』で感じていて。自信にもなったから、次はもっと面白いことをしたいなと思います。イベントだけでなく、みんなで作るものに“訳分かんないけど、やってることは面白いな”という遊び心を入れていきたいですね。

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ライヴスケジュール

「Night Museum」
・2018年3月11日(日)愛知/名古屋JAMMIN’

「ONKYOU -音共- 2018」
・2018年3月21日(水・祝)愛知/ダイアモンドホール・スペードボックス・アポロベイス・ハートランド・CLUB ROCK’N’ROLL
オフィシャルサイト:https://www.onkyou.rocks/

詳しくはオフィシャルサイトまで

チケットぴあ 中部・北陸

Official Site

https://twitter.com/monaca_y_c

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