HOME ReportLive ReportWEAVER 13th TOUR 2017「A/W TOUR~You and I will find Another World~」@DIAMOND HALL 2017/10/27

WEAVER 13th TOUR 2017「A/W TOUR~You and I will find Another World~」@DIAMOND HALL 2017/10/27

WEAVERのフィルターを通して届けたい音楽、その誠実な姿勢から生まれた景色

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『S/S』に続くコンセプトEP『A/W』を9月13日(水)にリリースした、WEAVER。両作で春夏秋冬の季節感を取り入れ、新たな挑戦の作品になっている。ロンドン留学をきっかけに彼らが作る曲はエレクロトサウンドに傾倒した。そのことで、結成時から培ってきたピアノを中心とするスタンスとは別の道を選択したと思われるかもしれない。でも今回のライヴを体験した私から言えば、それは違うと言い切れる。なぜならその二面性は別離されたものではなく表裏一体で、実は地続きであったのだと、WEAVERの純粋な音楽への探究心を感じることが出来たからだ。

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客電が落ち、一人ずつステージに現れ深く礼をした。それぞれ定位置につくとスポットライトに照らされる中、杉本雄治(ピアノ/ヴォーカル)が旋律を弾き開幕を告げる。ドラムのカウントから始まったのはデビュー曲「白朝夢」。彼ららしく丁寧に演奏し、杉本の「お待たせしました、WEAVERです!行くよ、名古屋!」という挨拶を経て「トキドキセカイ」へとなだれ込んだ。奥野翔太(ベース)はステージ前方へと進みオーディエンスとアイコンタクトを取ったり、河邉徹(ドラム)は立ってシンバルをダイナックに叩いたり。直情的なステージングに会場の熱気が高まった。

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今回のライヴはWEAVERの持つ二面性を最大限に引き出したセットリストだった。前半は彼らの得意とするピアノサウンド、そして後半は挑戦し続けているエレクトロサウンドと、はっきりと区別した構成を選択した。特に前半で感じたのは、杉本のクラシックを基調としたダイナミックなピアノサウンドに磨きがかかっていたこと。WEAVERの魅力の一つは、ピアノを中心とした三味一体の音像で構築する世界観だろう。エレクトロサウンドへと方向転換してから潜めていたように感じていた、その顔。今回のセットリストにより改めて、WEAVERの美学として根元にあるピアノサウンドの完成度合いに驚かされることになった。さらに、この完成されたピアノサウンドは今のWEAVERだからこそ、成り立っているものであるとも言える。メジャーデビュー9年目を迎えたこれまでの歩みを感じる、重みのあるサウンドだったからだ。今一度この音像を示すことで、彼らの持つ二面性はどちらも疎かにしておらず、両方とも大事にしているのだとオーディエンスへと伝えていたと思う。別の道を選択したのではなく、WEAVERの進んできた道はずっと繋がっていたのだと感じることができた。

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「きっとみんなに楽しんでもらえると思います」と杉本の言葉から始まった後半は、今のWEAVERのモードを反映させた“生音と融合させたエレクトロサウンド”に振り切った展開だった。「Another World」でスタートし、「心の中まで(Jazztronik Remix)」から「S.O.S.」まで休むことなく曲を繋ぎ披露していくスタイルは圧巻。DJプレイを彷彿とさせるVJやレーザーなどの演出が合わさったステージングに、フロアには昂揚感が満ちていた。エレクトロなWEAVERの始まりを告げたアルバム『Night Rainbow』収録曲の「さよならと言わないで」「KOKO」「クローン」までもが、当時よりもステップアップしたWEAVERの現在地に合わせたアレンジを施したことで求心力が高まり、オーディエンスを新しい世界観へと優しく導く。音楽、そして聴き手に対して、どこまでも真面目で、どこまでも誠実な、彼らのポテンシャルの高さを物語っていた。まだこの心地よさを体感していたいと思えるほど、あっという間に駆け抜けてしまった数十分だったと感じたのは、私だけじゃないはず。「S.O.S」を終えた時、彼らへの拍手が止むことがなかったのだから。この日来たオーディエンスは、WEAVERの提示した音楽の楽しみ方をしっかりと受け取ったという気持ちを、大きな拍手に込めていた。すごく感動的な場面であったと、強く印象に残っている。

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拍手が響き渡るフロアを見渡しながら、杉本が口を開いた。「9年目でも僕らには叶えたい夢があるし、みんながWEAVERに託してくれる夢もある。それに応えていけるように、ライヴを更新していきたいです。だからいいライヴが出来るように、いい曲を作っていこうと思います」とこれからの決意を話す。そして「これからのWEAVERに繋がる曲です」と高らかに告げ、本編の最後に演奏したのは「だから僕は僕を手放す」。杉本の歌声が一段と力強くなり、奥野と河邉のプレイもこの日一番のアグレッシブさを見せた。アンコールでは新曲も披露し、この先のWEAVERを匂わせ、「Shine」の大合唱で締めくくった。全ての曲を終え、3人がステージ中央に揃いマイクを通さず「ありがとうございました!」と礼をすると、フロアから「サイコー!良かったよー!」と声が聞こえてきた。オーディエンスとの良好な関係が手に取るように分かる。音楽への純粋でひたむきな姿勢が作り上げた関係性。この繋がりを大切にしてきた、WEAVERだからこその光景が広がっていた。

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杉本はMCで「僕がWEAVERとしてやりたい曲は2人(奥野・河邉)が楽しんでくれる曲で、みんなが楽しんでくれる曲だと思っています。みんなに僕たちの本物の気持ちを、音楽を届けたいです」と語っていた。彼らが作る音楽にはいつだって、聴き手への想いがある。今回のセットリストもWEAVERとして伝えたいことを考え抜いたものであり、届けたい真っ直ぐな気持ちに溢れていた。彼らは直接受け取ったオーディエンスからの拍手をこれからの糧にするだろうし、この日の経験がどのようにして彼らの音楽にアウトプットされていくのか非常に楽しみである。WEAVERの可能性は、まだまだこれから広がっていくことを確信したライヴだった。

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(文:笠原幸乃 写真:永縄貴士)

 

セットリスト
1. 白朝夢
2. トキドキセカイ
3. 66番目の汽車に乗って
4. Shall we dance
5. つよがりバンビ
6. 管制塔
7. 夢じゃないこの世界
8. 『あ』『い』をあつめて
9. Photographs
10. Another World
11. 心の中まで(Jazztronik Remix)
12. さよならと言わないで
13. KOKO
14. クローン
15. Shake! Shake!
16. S.O.S.
17. だから僕は僕を手放す
EN1. 新曲(すぎ308)
EN2. Shine

 


 

ライヴスケジュール

「WEAVER New Year’s Eve Live “Hello Future”」
・2017年12月31日(日)兵庫/神戸Varit.

「大ナナイトvol.112」
・2018年2月4日(日)群馬/高崎clubFLEEZ
w / Saucy Dog / Halo at 四畳半

 

詳しくはオフィシャルサイトまで

チケットぴあ 中部・北陸

Official Site

http://www.weavermusic.jp/

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