HOME ReportLive Report雨のパレード「ワンマンツアー2017『Untraveled』」@名古屋Electric Lady Land 2017/09/13

雨のパレード「ワンマンツアー2017『Untraveled』」@名古屋Electric Lady Land 2017/09/13

雨のパレードの新章、ここから幕を明ける

4月に行われた『 Change your pops 』ツアーのライヴレポートで「覚醒への入り口に立ったように思える。覚醒の日は近い」と書いたのだが、今回のツアー名古屋公演は2日目にして当時抱いた予感は間違いなかったと頷ける時間だった。雨のパレードが何度もトライアンドエラーを繰り返して、彼らなりの新たな音像を構築してきたその背景の蓄積が、しっかりと表れていたのだ。加えて、随所で魅せるアレンジの数々には背伸びしたものはなく、等身大のサウンドとしてアウトプットし響かせていたことも印象に強く残っている。試行錯誤がバンドの血肉となっていた証そのものだった。雨のパレードの新章を告げた、その模様をレポートする。

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開演時間となりメンバーが現れ、それぞれ徐々に音を重ねていく。点滅する照明の演出も合わさって、厚みを増していくバンドサウンドに息吹を感じる。そんな緊張感を含んだ静かな幕開けの中で、弧を描くように機材が配置されているステージで一際目を引くのが、64のパッドがカラフルに光るAbleton Push。福永浩平(ヴォーカル)が手を添えて音を出し始めれば、4人の絡み合う音が波紋のように広がっていくサウンドスケープに鳥肌が立った。新たな機材を投入し続ける音楽への情熱、かつ前回のツアーから短期間で新鮮な音像を作り上げる力量は、毎度ながら想像の遥か先を行ってしまうのだから、本当に驚かされる。

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1曲目「new place」から福永はステージ前方へと足を進め、オーディエンスに届けるように歌う。「楽しんでいこう!いいね!」と声をかけ「1969」へとなだれ込むと、フロアを一瞬にして自分たちの世界観へと染め上げた。イントロだけでなくアウトロでもアレンジの幅を効かせ、これまでの曲をも新たに咀嚼し進化させていく。現時点における雨のパレードのモードを、顕著に感じることができるサウンドだった。

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3rdシングル『Shoes』は音色においてノスタルジックを追求し、アナログ感のあるザラついたサウンドが奏でられていた。そこを引き継いでいるのかもしれないが、今回のライヴで作り上げられた音像はバンド感が強いように思えた。4人それぞれが“プレイヤーとして、何を魅せられるのか”にフォーカスが当たっていたように感じたのだ。特に是永亮祐(ベース)がステージ前方に出て、自身の演奏技術を魅せた場面が印象に残っている。これまでの彼は定位置をあまり動くことなく、エフェクターを駆使しながらベースとは思えない多彩な音を披露していた。対して今回はアグレッシブなプレイをすることで、それがバンドに孕む衝動性を匂わせることへと繋がり、会場の熱気を高めていった。同じような姿勢は大澤実音穂(ドラム)や山崎康介(ギター)にも感じられ、こんなにもバンド感というものを雨のパレードから見出すことになるとは想像もしていなかっただけに、とても新鮮な気持ちだったのを覚えている。表現の幅に制約をつけず、可能性があるなら突き進む“バンドの底力”があった。

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ライヴ中盤「You」「morning」では福永と山崎の2人がステージに残り、アコースティックアレンジで曲を披露する場面も。「You」では曲に込められたメッセージが胸に届いたのだろう、涙を流すオーディエンスもいた。そして是永と大澤のセッションを経てラストスパートをかける。数々の電子音が交錯した「Change your mind」を演奏し、本編最後の曲は「stage」。福永は強い眼差しを放ち、歌い切った。さらにアンコールにも応え「どんどんカッコよくなって、次もまた大きいところにいこうと思うんで付いてきてください」と決意を示し、「Tokyo」「Petrichor」と2曲演奏した。「久しぶりの顔もここから見えてるからね」と言って歌い出した福永から垣間見えたのは、聴き手一人ひとりを大事に思う姿勢。この意識は、観客とどんなに時間をかけてでも密接に会話をし続けてきた、インディーズ時代から変わらない雨のパレードの核そのものだったと思う。変わらないものと変わるもの――両方を携えた彼らなら、この先も成長し続けると確信できる。フレキシブルに彼らとしての可能性を広げ続けるこの先の歩みに、高揚を隠さずにはいられなかった。

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(文:笠原幸乃 写真:郡元菜摘)

セットリスト
1. new place
2. 1969
3. encore
4. Focus
5. Shoes
6. Thunderbird
7. Voice
8. 寝顔
9. Take my hand
10. You
11. morning
12. Hey boy,
13. Change your mind
14. Count me out
15. stage
EN1. Tokyo
EN2. Petrichor

 


 

ライヴスケジュール

「ame_no_parade x LIVE TIPS Special Live presented by WOWOW」
・2018年1月10日(水)東京/マイナビBLITZ赤坂

「雨のパレード presents『&』」
・2018年2月4日(日)東京/恵比寿LIQUIDROOM
w / きのこ帝国

 

詳しくはオフィシャルサイトまで

チケットぴあ 中部・北陸

Official Site

http://amenoparade.com/

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