HOME ReportLive Reportcinema staff「two strike to(2) night~万感の日比谷編~」@日比谷野外大音楽堂 2017/10/14

cinema staff「two strike to(2) night~万感の日比谷編~」@日比谷野外大音楽堂 2017/10/14

「僕らの夢を1つ叶えてもらった」ついに岐阜から憧れの地に立つ、念願の野音ワンマン

現メンバーでの活動をスタートさせてから、今年で11周年を迎えたcinema staff。初の野外ワンマンライヴを憧れの地・日比谷野外音楽堂で行うと発表したのは『熱源』リリース前日のことだった。発表の約2週間後から全国各地を回った『高機動熱源体』ツアーで、飯田瑞規(ヴォーカル/ギター)が“人生の半分を占めるバンド人生の中で抱いていた野音への想い”を打ち明けたことにも表れていたように、今年のシネマはこの野音ワンマンへと照準を合わせて進んでいたことは間違いない。9月の「OOPARTS 2017」を経て、迎えた10月14日。小雨が降る中、その時は訪れた。

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開演時間になるとClimb The Mindの「泥棒」が流れ始めた。シネマがClimb The Mindの曲をSEにしているのは周知のことであるが、特別な日だからこそ、シネマのためにと作った背景がより浮き上がってくる。満を持してメンバーが現れ定位置につくと、飯田が深く息を吸って歌い出した。1曲目に選んだのは「into the green」。シネマのメジャーデビューを飾った、この日に相応しい曲で幕を開けた。脈打つように重量感のあるリズム隊の音が胸にずっしりと響く。続けて「theme of us」から「白い砂漠のマーチ」まで彼らがインディーズで活動していた時も含め、今まで作り上げてきたアルバムとEPの1曲目より披露する。総決算のようなストーリー性が潜むセットリストを序盤から展開することで、当時の彼らと重ねるように現在の音像を聴く人が多かったのだろう、会場の高揚感はすでに限界値を超えていた。

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曲を終えるたびに何度も飯田が「ありがとう」と伝えるその言葉に重みが含まれていて、胸にぐっとくる。「ここでワンマンをすることが決まってから、この日のことをずっと考えていました。重く考えないようにしていたけど、ずっと憧れていただけに、バンドをやってきたことを思い出しながらやっています」と話す彼だけでなく、辻友貴(ギター)や三島想平(ベース)、そして久野洋平(ドラム)からも生み出すサウンドの端々から、今日に臨む並々ならぬ姿勢が感じることができた。

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15曲目「望郷」から「salvage me」「希望の残骸」の3曲では、プロジェクションマッピングを用いた演出を披露し、圧巻だった。特に「望郷」での、月日の流れを感じさせる映像には目が話せなかった。曲を始める前に飯田が「自分の帰る場所があるから、僕たちは進めていると感じる。故郷の歌です」と話したこともあったのかもしれないが、バンドを通して歩み開拓してきた景色を体験しているようだったのだ。他の曲でも色鮮やかな映像が映し出されたり、歌詞とリンクする場面もありながら、3曲とも熱がほとばしる“シネマらしさ”は失われずに感じられた。それは彼らがバンドとして愚直に培ってきた証であり、プロジェクションマッピングを使用しながらもシンプルに演奏するだけで成り立つ力量があるからこそ、出来たものだと思う。また当日のVJはkouta tajima(white white sisters)が担っており、ここにも彼らの地元への姿勢がしっかりと表れていた。

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「あっという間ですね、もう1回やりたいなって思っています」と久野が話し出すと、バンドがスタートした話に花が咲いた。「サッカー部でトンボがけしていて、三島に『バンドやらない?』って話してから、ここに立ってる!(飯田)」などと当時を振り返りながら、野音のステージが終わりへと近づいていることに各々噛み締めているようだった。そして三島の「こっからぶっ飛ばしていきますよ!」の合図で「great escape」からラストスパート。ギターを掲げたり、高くジャンプをしたり、始まりからアグレッシブだった辻のプレイにも拍車がかかった。さらに一段階ギアを上げた音像でスリリングな展開を繰り広げ、オーディエンスの歓声が沸き立つ。

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怒涛の演奏を経て、最後の2曲を前に飯田が口を開いた。「今4人で鳴らしている音も、4人だけで鳴らしてないことも、ちゃんと分かっています。みんなには僕らの夢を1つ叶えてもらって感謝してるし、たくさんもらっているので、心の奥に残るようなもので返していきたい。返していける4人だと思っています」。彼らの気持ちに応えるように拍手が会場を包み込み、「AIMAI VISION」「僕たち」へ。本編ラスト「僕たち」は、これまでのシネマを凝縮させたステージングで、鮮烈な爪痕を残した。真っ白なライトに包まれ演奏した渾身の1曲。今年のシネマは良好なモードを感じてはいたが、ここにきて最高のかたちで見せてくれた。

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その後アンコールにも応え、この日に彼らが演奏したのは全25曲だった。ステージから4人が去ると、スタッフのエンドロールが映し出される。するとその一人ひとりに感謝の気持ちを伝えるように、会場から拍手が自然と沸き起こり止むことがなかったのだ。まさに、オーディエンスがシネマの気持ちをちゃんと受け取った光景が広がっていた。三島は「まだまだこれから続いていくし、これからのバンドだと思う」と言っていたように、シネマはもうすでに次へと目を向けている。野音を終えてもバンドは進んでいて、年明けには東名阪ツアー「前衛懐古主義part2」が決まっていることからも、シネマの変わらないポテンシャルの高さを物語っているだろう。ここからまた始まる彼らのストーリーに期待が募るばかりである。

(文:笠原幸乃 写真:ヤオタケシ)

 

セットリスト
1. into the green
2. theme of us
3. 奇跡
4. 熱源
5. AMK HOLLIC
6. 想像力
7. 白い砂漠のマーチ
8. KARAKURI in the skywalkers
9. 火傷
10. 返して
11. daybreak syndrome
12. 青写真
13. 小さな食卓
14. 君になりたい
15. 望郷
16. salvage me
17. 希望の残骸
18. great escape
19. エゴ
20. pulse
21. シャドウ
22. AIMAI VISION
23. 僕たち
EN1. exp
EN2. GATE

 


 

ツアースケジュール

「cinema staff『前衛懐古主義part2』」

・2018年2月22日(木)東京/EX THEATER ROPPONGI
・2018年3月22日(木)大阪/梅田CLUB QUATTRO
・2018年3月23日(金)愛知/名古屋CLUB QUATTRO
 

詳しくはオフィシャルサイトまで

チケットぴあ 中部・北陸

Official Site

http://cinemastaff.net/

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