HOME ReportLive Report「OOPARTS 2017」@岐阜club-G 2017/09/23

「OOPARTS 2017」@岐阜club-G 2017/09/23

出身地である岐阜でイベントを開催したいという思いから誕生した、cinema staff自主企画イベント「OOPARTS」。DIY精神で改善と改良を重ねながら、2013年から毎年欠かさず愚直に続け、今年で5周年を迎えた。満員御礼の岐阜club-Gのステージに代表・三島想平(ベース)が現れ、「岐阜に還元できて良かった」とこれまでの道のりを噛み締めながら開幕宣言をすると、スクリーンに映像が映し出される。岐阜のクリエイター・Scott Allenが手がけた映像に視線が集まり、「Welcome to GIFU」の文字に拍手が沸き会場を包み込んだ。

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OOPARTS 2017の1番手は、岐阜のバンド鳴ル銅鑼。「OOPARTS、よろしくお願いします。岐阜県の鳴ル銅鑼です」と三輪和也(唄/六弦)が挨拶をし、「兆シ」で始まりを告げた。地元がシネマと同じである彼らは登場するや否や、熱が込められ凄みのかかったステージングが繰り広げた。トップバッターという大役を背負い応えようとする並々ならぬ想いを感じる。高校生の時にシネマを見て憧れたこと、鳴ル銅鑼をシネマに見つけてもらえたこと。そして「岐阜の後輩です」と紹介されるようになったこと。振り返りながら「岐阜県のバンドで良かったと思います」と三輪は語った。最後の曲「DUNE」で三輪の歌声はぐんと深みを増し、後輩らしくトップバッターの務めを果たした。

初出演のLEGO BIG MORLは結成11年目の貫禄を見せる演奏で、早くも会場に熱狂の渦を起こした。「Ray」でカナタタケヒロ(ヴォーカル/ギター)の歌声に惹きつけられると、続く「Wait?」で好戦的なイントロに導かれ熱気が上昇する。「一緒に歌ってくれませんか?」と呼びかけて始めた「RAINBOW」では、タナカヒロキ(ギター)が自身のマイクをオーディエンスに向け大合唱をさらに促し一体感を生み出した。「シネマに繋がるように」と安定感のある重厚なサウンドが鳴り響く。シネマとの思い出をしみじみと振り返ったりはしなかったけれど、バンドサウンドからはOOPARTSという特別なイベントに呼んでくれたシネマへの想いが感じられた。言葉を発するよりも身を持って体現する――数々のライヴを共にした同志でもあるLEGOにしか出来ない演奏だった。

今回のラインナップで紅一点の片平里菜は、歌い手としての力量を存分に発揮した。アコースティックギター1本を抱えてステージに現れ、ぽろぽろと弾きながら歌い出す。飯田瑞規(ヴォーカル/ギター)が彼女の魅力について「歌い出したら空気が変わるでしょ」と語ったように、その歌声が発せられると一瞬にして会場の視線がステージへと注がれた。「勝負できるものは弾き語りだった」と3曲目「最高の仕打ち」ではマイクを通さず身一つで歌い上げた。後半戦を迎え「わー!嬉しい!」とcinema staffをステージへと呼び込む。共同制作した「大人になれなくて」、飯田と共に歌った「borka(cinema staff)」など「楽しいしかないな」と、今日限りのバンド編成で数々の曲を披露。去った後も漂っていた余韻が、誰もが彼女の虜になっていたことを物語っていた。

折り返しに差し掛かり登場したのは、米カリフォルニア州ソノマ郡出身のロック・バンドThe Velvet Teen。1曲目「The Giving In」からケイシー・デイツ(ドラム)の力強いサウンドに耳が奪われた。胸を突き刺すように届く彼の音は、ひしめくバンドサウンドの中で圧倒的な存在感があって、まるでドラムを起点にしてあらゆる音が渦巻いているようだった。曲を連投すればするほど、エモーショナルなプレイに拍車がかかり、オーディエンスの高揚感も増す。ジョシュア・ステイプルズ(ベース)の「シネマスタッフハ、サイコウデス!」という言葉に歓声が沸き、ステージに辻友貴(ギター)を迎え入れ「333」をドロップ。マイクを手に持ち歌うジュダ・ナグラー(ヴォーカル/ギター)の歌声がより熱を帯びていく。「ジャアマタ!」と大ボリュームの10曲を演奏した。

「はじめまして、岐阜!シネマの東京の友達、ATATAです!」と奈部川光義(ヴォーカル)の言葉でスタートを切ったのはATATAだ。人生初めて岐阜に来たという奈部川を筆頭に、笑顔でステージングを繰り広げる彼ら。「Newborn」から立て続けにプレイし、「1 Nite Wonder」で「歌って!」とオーディエンスに呼びかければ大合唱が会場を包んだ。MCで奈部川は、OOPARTSは初めてで不安だったが「俺たちの客なら大丈夫」と飯田が応えてくれた、それを信じて来たと打ち明ける。ATATA自身の持つ懐の深さ、そして人生の応援歌ともいえる曲たち。押し付けがましくなく、自然と背中を押してくれる彼らの姿から多幸感が生まれていた。ラストの「Song Of Joy」では辻もステージに現れ一緒に歌う場面も。頼もしさ溢れるATATAに胸を打たれた時間だった。

大トリ・シネマを前にして、My Hair is Badは鮮烈な爪痕を残した。椎木知仁(ヴォーカル/ギター)は開口一番で「シネマに思いっきりぶつけに来ました」と叫ぶ。瞳孔を広げ強い眼差しで歌う椎木の姿が、初っ端から目に飛び込んできた。発する言葉のどれもが闘争心に満ち溢れていて、感情の糸が張り詰める光景にオーディエンスは息を飲む。“ただの友情出演をしに来たわけじゃない、対バン=戦いに来たんだ”という、尋常じゃない熱が手に取るようにわかる。溢れ出る想いをとめどなく吐露し始めた「フロムナウオン」では、「俺がいいライヴをするほどcinema staffを押し上げる。ぶつけたいのは俺たちの生き様。これがロックバンドなんだ!」と会場中の視線を集めた。そして「OOPARTSに愛を込めて」と「告白」を演奏し、シネマへとバトンを渡した。

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満を持して登場したcinema staffは、三島の言葉から始まった。「この光景が奇跡だと思うか?奇跡なんかじゃない。俺たちが岐阜県cinema staff、始めます!」。序盤から沸点に持っていく独自のステージングを見せていたのだが、今日はその熱量が違うと肌で感じた。意気込みが格段に違ったのだ。さらに飯田が「今日は最高なライヴにしたい。椎木(My Hair is Bad)が『対バンが勝負』と言うなら、マジで勝ちたい。ついてきて」と湧き上がる感情を言葉にしたことで、どんどん熱は上昇していく。辻がネックを舐めるスリリングな場面が生まれた「西南西の虹」、三島がベースを掲げオーディエンスに応えた「エゴ」。続く「希望の残骸」では久野洋平(ドラム)も目の前に広がる光景を見渡し、地元・岐阜に還元するこの日を目に焼き付けているようだった。MCで飯田は「去年は上手く伝えられなくて、何度も夢に出てきた」と、去年のOOPARTSでは途中で声が出なくなってしまったことへの悔しさを滲ませた。そのまま「ステージとの境目はあるかもしれないけど、音楽に求めるものは同じだと思う。深い深い関係を残したい」と続け、本編ラスト曲「僕たち」へ。ここ数年で一番振り切った渾身のプレイに、ただただ圧倒された。

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アンコールに応え再びステージ現れると、三島が「地元でやることが出来て嬉しいです。満員御礼でありがとうございます」と感謝の気持ちを伝える。そして「レペゼン岐阜って言ってもいいですか?俺たちが、レペゼン岐阜・cinema staffです!」と決意を表し、「exp」を披露。レペゼンとは代表という意味だ。すなわちシネマは俺たちが岐阜代表になんだと、覚悟を示したのだ。シネマは強くなったと思えたのと同時に、今の彼らならその言葉が相応しいと頷けた。「また来年、お会いしましょう」と約束を交わし、5周年のOOPARTSは幕を閉じた。

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誇らしげに「繋がりが僕らの自慢。これが1番の自慢」と飯田が話していたように、シネマが築いてきた繋がりを感じることのできるのがOOPARTS。来年もこの場所で、レペゼン岐阜を背負い帰ってくる彼らを見たい。

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(文:笠原幸乃 写真:ヤオタケシ)

 

「OOPARTS2017」 出演者セットリスト

【鳴ル銅鑼】
1. 兆シ
2. 誘惑
3. 五月雨、麗しゅう
4. 壱、壱、零
5. 不埒な女
6. DUNE

【LEGO BIG MORL】
1. Ray
2. Wait?
3. 問う今日
4. RAINBOW
5. 一秒のあいだ
6. あなたがいればいいのに
7. 美しい遺書

【片平里菜】
1. なまえ
2. 煙たい
3. 最高の仕打ち
4. 大人になれなくて
5. baby
6. borka(cinema staff)
7. 女の子は泣かない

【THE VELVET TEEN】
1. The Giving In
2. You Were the First
3. Parallel Universes
4. Fixing a Faucet
5. Sonreo
6. Tokyoto
7. Mean Mind
8. 333
9. Eclipses
10. No Star

【ATATA】
1. Newborn
2. Reverberation
3. The Next Page
4. Star Soldier
5. 1 Nite Wonder
6. The Lust Dance
7. Clark Kent
8. Song Of Joy

【My Hair is Bad】
1. アフターアワー
2. 運命
3. ドラマみたいだ
4. クリサンセマム
5. 元彼氏として
6. フロムナウオン
7. 真赤
8. 告白

【cinema staff】
1. 奇跡
2. theme of us
3. 西南西の虹
4. エゴ
5. 希望の残骸
6. 熱源
7. 僕たち
EN. exp

 

※記事初出時、表記に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

Official Site

https://ooparts-gifu2017.tumblr.com/

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