HOME ReportLive Reportビレッジマンズストア「LIVE DVD『正しい夜遊び』リリースツアー」@渋谷WWW 2017/08/24

ビレッジマンズストア「LIVE DVD『正しい夜遊び』リリースツアー」@渋谷WWW 2017/08/24

渋谷のロマンティックに火を付けた、完売御礼セミファイナル!

今年2月、地元名古屋にてバンド史上最大のキャパシティーとなるDIAMOND HALL公演を成功させたビレッジマンズストア。しかし、彼らの快進撃は、そこで終わりではなかった。5月にはDIAMOND HALLでの熱演を収録したDVDを発売。それを引っ提げてスタートさせた全国ツアーでは、大阪・東京・名古屋でワンマンライヴを開催し、全てソールドアウトさせた。本稿では、そのセミファイナルにあたる東京・渋谷www公演をレポートする。

ビレッジマンズストア 『正しい夜遊び』リリースツアー①

「きっと俺たちは、変わっちゃったんだと思う」。水野ギイ(ヴォーカル)が、そう口にしたのはライヴ中盤のMCの一幕だった。キャパシティー400人の会場に対し、前売りチケットの売り上げは395枚。寸でのところで完売御礼を引っ提げての開催には至らなかった。しかし、蓋を開けてみれば当日券を含め400人超の動員となり、見事ソールドアウトに至ったのだ。だが、これはあくまで結果オーライの話。ライヴ前日、メンバーはSNSを使い、あと数枚のチケットを売るべく呼びかけていた。ここまで数字にこだわることも、それで悔しい思いをすることも今まではなかったという。しかしその変化の理由は、実に彼ららしいものだった。バンド活動を続けていく上で大事な仲間が増え、その人たちを守りたい、喜ばせたい、という思いから、必死になってしまったのだと水野は語る。そして「その守りてえ相手っていうのは君だよ!」と段上の会場を下から上まで埋める観客へ、ありったけの感謝を告げたのだ。DIAMOND HALLから半年、ひと回り大きくなったビレッジマンズストアが見せたのは、不器用だけど頼もしく、愛に溢れたステージだった。

ビレッジマンズストア 『正しい夜遊び』リリースツアー③

毎度お馴染み、真っ赤なスーツ姿の5人がステージに現れると、腹の底から絞り出されたような雄たけびが会場を満たす。ステージの背面にドンと構える“ビレッジマンズストア”の文字は、DIAMOND HALLの時と同じく、そこが彼らの独壇場であることの証だ。「www史上、渋谷史上……貴様史上最高の一日が始まるぞ東京!」と一輪のバラを携えた、水野ギイ(ヴォーカル)が啖呵を切って「夢の中ではない」からスタート。祭り節のロックンロールサウンドで、のっけからフロアを焚き付けまくる。それに負けじと拳を上げ、野太い合いの手を返す観客。その光景は観客がステージを煽っているかのように見えるほどの勢いだった。しかし、煽られて黙っていちゃあロックンロールバンドがすたる。「MIZU-BUKKAKE-LONE」では、加納靖識(ギター)と岩原洋平(ギター)が左右のスピーカーによじ登ってのプレイ。広くなったステージでは、水野が首にかけた白いファーを揺らし、手をヒラヒラさせながら縦横無尽に歌い踊っている。それにつられた観客たちも皆、同じフリで踊り始めた。ステージだけでなく、フロアをも巻き込む、全員体制の体験型エンターテインメント・ロックショー。それがビレッジマンズストアのライヴの魅力だ。

ビレッジマンズストア『正しい夜遊び』④

しかし、彼らがただの賑やかしロックバンドではないことも、しっかりと書いておこう。Jack(ベース)の奏でるジャズライクなベースラインとヒステリックなギターの旋律が混ざり合い、なんともアダルトな色香を漂わせたのは、12月発売のシングル『TRAP』への再録も決まった「ザ・ワールドイズマイン」だ。続く「盗人」は、うしろめたさを背負った男のブルース。泣きのギターと、哀愁をたっぷりと含ませた水野の歌に胸が詰まる。そこに坂野充(ドラム)の踏み鳴らす温かなバスドラムの音が重なることで、より一層涙を誘う。しかし、この日一番聴かせたのは「正しい夜明け」だろう。本ツアーの契機となった、2月のDIAMOND HALL公演にて配布された楽曲だ。アルバム『正しい夜明け』に対するアンサーソングでもあり、彼らが“正しさ”を見つけるまでの葛藤を歌にしたものでもあった。水野は時にうずくまり、サビになれば激しく体を揺らし曲の世界に没頭して声の限りに叫ぶ。対する楽器隊も、穏やかさと激しさのコントラストの効いた演奏で、葛藤と衝動を描き切ってみせた。

ビレッジマンズストア『正しい夜遊び』リリースツアー⑤

「正しい夜明け」を歌い終えた直後、足元に落ちていた観客の靴を見つけた水野は「どなたか……ライヴ中に靴を落とした人はいませんか?僕の足元に、やもめの靴が……このまま俺たち帰れないんじゃない!?」と「帰れないふたり」の一節を歌ってアナウンス。会場はどっと笑いに包まれたが、水野は改まって「俺達もどこに行けばいいのか良く分らねえんだ。俺達はどこへ向かえば良いんだろうね」と語り始めた。すると観客たちも居住まいを正し、彼の言葉に耳を傾ける。そして更に水野は「ライヴやって、朝になって。スタジオ行って、朝になって、家に帰る。帰る道と反対方向に歩いている人たちを見て、俺は罪悪感でいっぱいになるよ」と続けた。前を向かなきゃいけないことは分かっているが、その前がどこだか分からなくなるのだ、という。でもね、と水野はフロアをぐるりと見回した。そして「今日観たらすげえ分かったよ。こんな簡単なことだったんだねって。俺の目の前に居るのはお前だよな。俺が向かなあかん場所は、俺が向かう先の前はお前の居るところだよな。俺はいつでもね、ロックバンドを転がしながらお前の目の前に行くってことを、約束するよ!」と告げたのだ。こうして愚直なまでに目の前の人と向き合って活動を続ける彼らだからこそ、多くの人を巻き込み、虜にして、どんどん景色を広げていったのだろう。

ビレッジマンズストア『正しい夜遊び』⑥

「この命を使って、この命の限りお前の……お前の……ロマンティックに火をつけることを約束しよう!」と始めた「ロマンティックに火をつけて」でステージはついに最終局面へ。そしてこの日最大の見せ場となったのは「逃げてくあの娘にゃ聴こえない」だ。ロカビリー調のロックンロールに合わせて、ステージの4人が体を前後に激しく揺らしながら演奏すると、それがフロアに伝播。髪を振り乱しながら前に後ろに体を揺らす観客たちでフロアが波立つ様は、まさに圧巻そのものだ。サビ終わりでは観客たちが完璧なタイミングで「逃げてくあの娘にゃ聴こえない」の大合唱をステージに投げ返す。続く間奏では「俺と君で、ロックンロールを今から作るの。できるか!」と水野が言うや否や、加納と岩原がギターを持ったままフロアへダイヴ。「運んであげて!」という水野の指示のもと、2人は背泳ぎ状態でギターを弾いたまま、満員の観客によってどんどんフロアの傾斜を登ってゆく。そして、ついに奥まで到達すると水野から「俺の大事なギタリスト、立たせてやってくれ!」との指示が。なんと、そのまま2人は立ち上がり、向かいあってギターを弾き始めた。今までも幾度となくwwwでバンドのライヴを観てきたが、こんな光景は初めてだった。ここまでやるか、ビレッジマンズストア。いや、ここまでやるのがビレッジマンズストアなのだ。ラストはちょっぴり切ない「PINK」をバシっと決めて、本編終了となった。

ビレッジマンズストア 『正しい夜遊び』リリースツアー⑦

この日彼らは「名古屋」という冠を口にすることはなかった。それが意図したところなのか、そうでないのかは分からない。でも私には、そうすることが彼らなりの決意であり勝負のように思えたのだ。先日のDIAMOND HALL公演がそうであったように、ホームである名古屋にかける想いが特別なのは、勿論だろう。しかし、そうでない場所だからこそ、このソールドアウトが彼らにとって大きな意味になったこともまた、確かだと思う。こう言うと、少なからず寂しさを覚える地元のファンもいるだろう。しかし、安心して欲しい。彼らは誰ひとり、置いていく気なんてないのだ。最後に、その証拠となる水野の言葉を書いておく。

「俺たちが間違えそうになったら、お前は俺たちに文句を言って良いんだぜって話。普通のロックバンドの関係だったらそれはイマイチ成り立たないかもしれないけど、俺たちって、普通じゃないじゃん。だからね、あんたと一緒にどこまでも行きてえなって思ってるの。さっきソールドアウト嬉しいなって言ったじゃん。でも置いていく気はねえの。じゃあこれで4万人集まることになったぜ、って言ったら俺たちは5万人のところでライヴするぜ?で、ちょっと無理するぜ。で、頑張って5万人集めるぜ、お前と一緒にな。それをあんたと一緒に俺、作って行きてえもんでさ。いっぱい叱ってちょうだい、分かったか?」。

ビレッジマンズストア『正しい夜遊び』リリースツアー⑦

どんなに大きなステージに立とうとも、きっと彼らは変わらないだろう。いつだってそこから私たちのやりきれない気持ちや“眠れぬ夜”を引き受けて、ロックンロールに変えてくれる存在。それがビレッジマンズストアだ。真っ赤なスーツを着込んだ、キザで気弱なロックスター。彼らが向かう先に、最高の景色が広がってゆくことを願ってやまない。

この時は知る由もなかったが、9月29日に加納の脱退が発表された。
Jack、水野ギイ、岩原洋平、坂野充、そして加納靖識の、5人のビレッジマンズストアへ。愛と敬意を込めて。

(文:イシハラマイ 写真:オフィシャル提供)

 

セットリスト
1. 夢の中ではない
2. WENDY
3. MIZU-BUKKAKE-LONE
4. ユーレイ
5. 地獄のメロディ
6. ビデオガール
7. 最後の日曜日
8. 夜を走れ
9. スパナ
10. ザ・ワールドイズマイン
11. 盗人
12. ビレッジマンズ
13. 僕を撃て
14. セブン
15. 帰れないふたり
16. 正しい夜明け
17. ロマンティックに火をつけて
18. 逃げてくあの娘にゃ聴こえない
19. PINK
EN1. お試し期間は終わった
EN2. 車上A・RA・SHI
WEN1. 眠れぬ夜は自分のせい

 


 

ライヴスケジュール

「バックドロップシンデレラ2ndミニアルバム『真夜中の太陽を君は知らない』レコ発“サンシャインとウンザウンザを踊るツアー”」
・2017年10月20日(金) 秋田/club SWINDLE
w / バックドロップシンデレラ / 四星球

「バックドロップシンデレラ2ndミニアルバム『真夜中の太陽を君は知らない』レコ発“サンシャインとウンザウンザを踊るツアー”」
・2017年10月21日(土)岩手/the five morioka
w / バックドロップシンデレラ / SaToMansion

「ピアノゾンビPresents“ホネ殺しハロウィンナイト~強制コスプレ編~”」
・2017年10月28日(土)千葉/柏PALOOZA
w / ピアノゾンビ

詳しくはオフィシャルサイトまで

チケットぴあ 中部・北陸

 

Official Site

http://villagemansstore.com/

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