HOME ReportLive Report「篠島フェス」2017/07/17

「篠島フェス」2017/07/17

アーニー篠島top

篠島フェス2日目も後半に差し掛かった頃、CALM STAGEに登場したのは、EARNIE FROGsの4人。篠島と同じ知多エリア出身のメンバーもいる生粋の地元バンドだ。「篠島フェス、楽しんでいきましょう!」と「What’s (you) showing?」で口火を切ると、うだるような暑さに芝生に腰を下ろしていたオーディエンスがパッと立ち上がり、遠巻きにのんびりしていた人々も性急なビートに誘われるようライブエリアに集まってきた。〈いっさいがっさい〉、〈わっしょいわっしょい〉とみんなで掛け声を発し、早くも一体感が生まれ始めたフィールドの様子に、三木正明(ヴォーカル/ ギター)は「いいですね。すげえいい感じ」と満足げに頷いてみせた。

EARNIE FROGs_篠島フェス_02

この日は、フェス仕様の特別なセットリストを組んできたという彼ら。「ここでしかできないような曲もやるので、この世界観にたっぷり浸かっていってください」というMCの直後に演奏された「Ordinary」は、各パートが絡み合いながら刻むリズムが小気味よく、自然と体を揺らしたくなるような一曲。三木と尾形悠妃(ヴォーカル/ベース)の歌声が、溶け合うように調和して響き渡れば、ゆるやかな時間が流れる離島の昼下がりにぴったりだった。キャッチーなギターフレーズが真っ先に耳に飛び込んでくる「CRAWL」では、寺尾広大(ギター)や磯貝祐香(ドラム)も〈wow〉と口ずさみながら活き活きした表情を浮かべる。推進力に満ちたサウンド。そのど真ん中に、彼らがいるように感じた。

EARNIE FROGs_篠島フェス_03

「みなさんのおかげでめちゃめちゃ楽しいです!普段は地下のライブハウスでライブすることが多いけど、こうやって青空の下でやるのもいいですね!」と再び口を開いた三木。次曲に向け手拍子が鳴り響くフィールドを見つめながら、「次の曲は、みんなのその良い顔が証明になるよって曲です」と語りかけ、「Disco Panic」へ。骨太なギターを掻き鳴らす寺尾は、身を乗り出したりくるくる回ったり、アクションでもオーディエンスを沸かせ、三木は低音からファルセットまでの幅広い音域を縦横無尽に歌い上げた。勢いそのままにラストナンバー「リアリティ」へと繋げ、最後まで熱量を高めながら駆け抜けた4人。彼らの“良い顔”と、額を汗でテカテカにしたオーディエンスの“良い顔”が、この日のステージの充実感を表していた。

(文:岡部瑞希)

セットリスト
1. What’s (you) showing?
2. MATSURI
3. Ordinary
4. CRAWL
5. Disco Panic
6. リアリティ

キネマズ篠島top

篠島フェス最終日、CALM STAGEを締め括るのはキネマズ。バックバンドのセッションを背にして宮下浩(ヴォーカル/ギター)が登場した。「キネマズです、よろしくお願いしまーす!」と挨拶をし「Play back」でスタートを切る。鮮やかなギターフレーズに耳を奪われる疾走感ある曲で、瞬く間にバンドサウンドの勢いを加速させていくのだった。そして間髪入れず「Fly baby」を演奏。ギターを置きマイクを手に持った宮下の「初めての篠島なんで、より篠島の皆さんと密接な関係になりたいんで前に来てもらえますか?」の一声で、観客が彼のもとへと足を進めた。途中マイクを通さず宮下は歌い、その熱い姿に胸をぐっと掴まれたかと思えば、ステージから降りて観客の肩を抱き歌い始め、裏表のないパフォーマンスで双方の距離が縮まっていくようだった。

キネマズ 篠島フェス02

「しらす食べました?しらす、ちょー美味しかったよね」と篠島を満喫した話をブレイクに挟み、「世界はひとつ」へ。日が暮れゆく夕方とマッチして、語るように歌う宮下の言葉一つひとつが沁みていく。飾らないシンプルな言葉こそ力があるものだと、改めて気付かされた場面だった。一息つき「『最高だなー!』と違う曲から始めてしまったんです(笑)。今17時?……あと15分か、みんなで曲を作りましょうか!」と宮下が提案し、即興で曲を作り始めた。場内にいる観客の血液型を聞き一番多かったA型から、曲のコードはAから。そして歌詞に入れるワードを挙手で募り、「篠島」・「キネマズ」・「根性」・「スイカ」と4つのワードが決まった。

キネマズ 篠島フェス01

準備が整ったのだろう、宮下はギターを掻き鳴らし歌い始めた。前日は台湾にいた彼らが辿った篠島への道のり、初めて体験した篠島フェスの良さ、ここに呼んでくれたZIP-FMのプロデューサーへの想いなど、休む間もなく4つのワードを織り交ぜて曲を作り上げていく。その光景は衝動性が含んでいて、予測不可能な展開に観客の視線が注がれる。即興でありながら曲の終盤ではシンガロングを生み出し、場内は一体感に包まれた。最後の曲は「Coming back」。演奏を終えると両手を広げ「ありがとうございました、キネマズでした!」と宮下は別れを告げ、ステージを後にした。

(文:笠原幸乃)

セットリスト
1. Play back
2. Fly baby
3. 世界はひとつ
4. (即興)
5. Coming back

adam at篠島

二日間のトリを飾るのは、ピアノセッションバンドのADAM at。玉田は「みんな盛り上がってますか?もっともっと盛り上げます!」とニカッと笑う。演奏を始めると、暮れかけた空に臨場感あふれる音色が放たれていった。久石譲に通じるような和音が胸を切なくさせるが、それだけではないのがADAM at流。玉田が「篠島!」と煽って始めた「五右衛門」ではチャカチャカとしたスカのリズムに誰もが踊らずにはいられない。「がってん!」のコールが熱気を更に高め、原っぱには身体を揺らすお客さんで溢れた。篠島フェスもいよいよ終わり、あとは思いきり楽しんで帰るだけ、といった開放感が心地いい。

adam at篠島01

途中のMCではステージから見える電信柱や電線についてのマニアックなトークで暴走しても、演奏を再会すればガッチリお客さんのハートをつかむ玉田。ADMA atのライヴに行くたび嬉しくなるのは、メンバーの楽しそうな表情を見て、大の大人でも音楽でこんなにはしゃいでいいのだと感じる瞬間だ。終盤に演奏した「六三四」「Echo Night」では楽器と一体化したように大きく動きながら演奏するメンバーもだが、音に合わせてうねるようにお客さんがノっている光景が圧巻だった。

adam at篠島02

あまりに早い再登場に、お客さんからつっこみを受けながら始まったアンコール。「カルメラさんは契約とれなかったCMソングを…」と、先に出演したカルメラへのいじりからキユーピーのCMソングを披露し、ライヴを観ていたメンバーからの「悪意あるぞー!」という激しいブーイングには「大丈夫、僕はスシロー(のCM)取れなかったんで!」とのフォローも忘れなかった。

adam at篠島アンコール02

更に、「カルメラとステージでコンパしようかな!」という玉田の発言からまさかのコラボが実現!お客さんと同じようにライヴを観ていたカルメラの面々も最初は驚きつつも、悪友からの誘いに私服のままステージへ。この日出演したかりゆし58の前川真悟(ヴォーカル/ベース)も袖から飛び出し、即興のセッションに歌を乗せる展開にお客さんも大興奮。ステージではメンバーが二人羽織のように弾くシーンもあり、なんでもありなそのテンションに、スタッフもお客さんも、その場にいた全員がお祭り騒ぎ。大トリらしい大団円で、2017年の篠島フェスは幕を降ろした。

adam at篠島アンコール01

(文:青木美穂)

※写真は全てZIP-FM提供

Official Site

http://shinojima-fes.jp/

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