HOME ReportLive Report「篠島フェス」2017/07/16

「篠島フェス」2017/07/16

愛知県は知多半島の南に位置する篠島。その篠島では毎年、主催者のZIP-FMとボランティアスタッフ、そして島民が一体となって作り上げる「篠島フェス」が2日間に渡り開催される。4回目となった今年も、当日、篠島への高速船が発着する港は大賑わい。いざ島に降り立つと、島の駅には「篠島フェス!!」と書かれたのぼり旗がはためいていて、年に一度の音楽フェスに島全体が活気に満ちていた。

緑黄色社会篠島top

快晴の空から日差しが照りつけ、真夏日となった1日目。MAIN STAGEのトップバッターを務めるのは緑黄色社会。手拍子に歓迎されメンバーがステージに登場すると、チョコレートをモチーフにしたラブソング「Bitter」でライヴをスタートした。長屋晴子(ヴォーカル/ギター)が会場を見回しながら歌う〈声聞かせて〉〈顔を見せて〉というフレーズは、オーディエンスへの呼びかけのようでもあり、その声に誘われるようフィールドからたくさんの腕が伸びた。「みなさん声出せますか!?1、2、3、4!」というpeppe(キーボード)のカウントから「Alice」へ。遊び心溢れるコミカルなリズムにのって、メンバーも活き活きとした演奏を披露する。ぴょんぴょんと飛び跳ねながら手拍子を求める天真爛漫な長屋の姿も眩しかった。

緑黄色社会_篠島フェス2017_03

容赦なく照りつける日差しに「言わずもがな、あっついね~」と困り顔で笑うpeppe。長屋も「暑いって共通点があるせいか、心なしかいつもよりメンバーと目が合う気がする。こいつも暑いんだろうなあ~って」と笑い、「みなさんも暑いですよね。水分補給しっかりして、万全の状態で楽しんでください!」とオーディエンスを気遣った。そして、いずれも8月2日にリリースする2ndミニアルバム収録の「始まりの歌」、「恋って」をプレイ。続くミドルテンポのバラード「それなりの生活」では、フレーズの最後の最後まで懸命に声を張り、一つひとつの言葉に思いを込め歌い上げるが、「アウトサイダー」では一転。長屋の瑞々しい歌声が熱気を切り裂くようにエネルギッシュに空に抜け、メンバー全員汗だくになりながらもアグレッシブな演奏を鳴らし続けた。

緑黄色社会_篠島フェス2017_01

緑黄色社会は今年が2回目の出演。長屋は「こうやって外で演奏するのって暑いけど、やっぱり楽しいですね!」と火照った頬をパタパタしながら感想を漏らし、前回に引き続き、篠島フェスが大好きになったと明かした。そして最後に「前を向こうと決めたあの日の歌」と言い添えて、「またね」を演奏。メンバー同士、何度もアイコンタクトを交わしながら、全力投球のパフォーマンスで締めくくった。日向に立っているだけでもクラクラしそうな炎天下の時間帯。その暑さに負けず、むしろ吹き飛ばすかのようなパワーで駆け抜けたステージだった。

(文:岡部瑞希)

セットリスト
1. Bitter
2. Alice
3. 始まりの歌
4. 恋って
5. それなりの生活
6. アウトサイダー
7. またね

チェコ篠島top

太陽が真上に昇るころMAIN STAGEに登場したのは、初出演のCzecho No Republic。ただ立っているだけで汗が噴き出すほどの暑さでも、武井優心(ヴォーカル/ベース)が「お祭り騒ぎしようぜ!手あげろー!」と威勢の良さを見せる。けたたましいドラムから始まった「Amazing Parade」を筆頭に、キラキラしたシンセサウンドを効果的に使ったチェコの楽曲は篠島と相性ぴったりだ。広い空を臨む開放感のあるステージ、離島という非日常のロケーション。老若男女が自由に楽しむ篠島の原っぱに、まぶしい太陽のようにチェコの音楽が降り注ぐ。ありえないほどの暑さすら、浮足立つ心を加速させていくようだった。「みんな浮かれてて、幸せそうで最高です!ビールの曲やっていいですか!」と武井が煽った「P.I.C グアム」、タカハシマイ(コーラス/シンセサイザー/パーカッション)がキュートな声で小気味良く歌った「ファインデイ」。ステージを見つめるボランティアスタッフもお客さんも皆がゆらゆらと踊った「レインボー」と、リラックスムードが漂う島っぽい選曲だ。

チェコ_篠島フェス2017-03

タカハシが何気なくこぼした「ビール飲みたいー!」発言に実際にステージまで運ばれてくるサプライズもありつつ(ビールのCMを狙える“プハーッ”の顔を見事にキメていた)、ライヴは後半戦へ。「まだまだ盛り上がっていこうぜ篠島!」と砂川一黄(ギター)が叫んだ「No Way」では鮮やかなサウンドが空を勢いよく突き抜けていき、間髪入れずの「MUSIC」でも〈篠島のパーティー 浮かれて行こうよ〉と歌詞をアレンジして、いっそうお客さんのテンションを盛り立てていた。「一瞬でも日常を忘れてハッピーになってくれたら嬉しいです!昼間だけど、でっかい花火打ち上げていいですか!」と力強く武井が話した「Firework」では、次に出番を控えるビッケブランカが飛び入りで参加!急きょ決まったコラボにお客さんも大興奮だ。ピアノを弾く真似をしながら登場したビッケブランカは緊張するどころかノリノリの様子。かなりの声量で高音パートを堂々と歌いこなし、武井も負けじとフロントに飛び出してプレイ!自由な空気感が漂う篠島フェスだったからこそ生まれた最高のコラボに、飛び跳ね、腕をあげて、そこにいた誰もが思いきりはしゃいだラストだった。

チェコ_篠島フェス2017-01

(文:青木美穂)

セットリスト
1. Amazing Parade
2. P.I.C グアム
3. ファインデイ
4. レインボー
5. No Way
6. MUSIC
7. Firework

monaca篠島

MAIN STAGE・CALM STAGEのある芝生広場ステージから少し離れた場所、海を臨むBEACH STAGE。時折ふわっと流れ込む潮風や砂浜に立つ色とりどりのパラソルなど、夏を感じられる絶好のロケーションに胸が弾む。日差しが和らぎ始めた頃、「名古屋アーティストレコメンド 2016」で取り上げたMonaca yellow cityが登場した。

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近藤圭晃(ヴォーカル)が「Monaca yellow city、BEACH STAGE始めます」と挨拶をし、「pale tone」から始まった。彼らが鳴らすのは“語感を大事にしたシティポップ”。篠島での独特なゆったりとした時の流れに、彼らの生み出すビートの波長がピッタリ合わさる。観客が自然と横ノリする光景が広がり、また海水浴で来たであろう人もBEACH STAGEへと引き寄せられていた。続けて「1K」をプレイ。少し色気を纏った近藤の声質が、ぬるっとした潮風と相性が抜群でたまらない。その心地良さからモナカの音楽に身を委ねてしまうのは必然だった。ムーディーなイントロでモナカの世界観の深部へと誘った「MILD」では、「良い風!」と近藤が思わずこぼす場面も。BEACH STAGEならではのロケーションに彼らも楽しんでいるようだった。

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田中智寛(ベース)が「めっちゃ気持ち良いね!」と篠島フェス出演への嬉しさを話したMCを経て、「夢の波紋」へ。浮遊感のあるサウンドが響き渡り、トリップしてしまうような感覚が芽生えた。そして5曲目へ差し掛かろうとした時、海水浴終了を告げる観光協会のナレーションが入り中断してしまう。しかし、すぐさま機転を効かして「これモナカの仕込みです(笑)」と近藤が観客の笑いを誘った。放送が終わり一息つき「気取らない格好で」を演奏すると、静まり返った海辺から聞こえたのは波の音。意図的ではない自然の音が加われば曲がぐんと広がり、ロケーションを味方に付けるとはこのことだ、と感じずにはいられなかった。ラストは「ネオンサイン」。田中とまきえ(ドラム)のリズム隊のビートがより勢いを増して、観客の視線を集める。さらにちょり(ギター)の弾くノイズのかかった音で曲が彩られると、終わりへと近づく名残惜しさが込み上げてきた。「ありがとうございました!」とモナカがステージを去った後も、残された余韻が潮風と共に漂っていた。

(文:笠原幸乃)

セットリスト
1. pale tone
2. 1K
3. MILD
4. 夢の波紋
5. 気取らない格好で
6. ネオンサイン

ビッケブランカ篠島top

篠島フェス2年連続出演となるビッケブランカが登場。天を仰ぎ「篠島の皆さま、こんにちは!ビッケブランカでーす!たくさんの人、ありがとうございまーす!」と挨拶をし、大歓声を体いっぱいに受け止める。敬礼ポーズの合図で「Moon Ride」からスタートを切った。1曲目からマイクを手に持ち、ステージを自由に動き回りエネルギッシュに歌うビッケブランカ。疾走感のあるリズムが観客の昂揚を掻き立て、熱が一気に上昇するのだった。「暑いけど、もうちょっと暑くなろうと思います。よろしくお願いしまーす!」とさらに観客を焚きつけ、「Take me Take out」へ。ステージへと集まった観客の無数の手が挙がり、野外の開放感と合わさって幸福に満ちた空間となっていた。汗が止まらない灼熱の中で、ビッケブランカは顔を真っ赤にしながら歌う。それでも持ち前のファルセットを交えながら遊び心を忘れないパフォーマンスに、ボルテージは上がる一方。どこまでもエンターテイナーである姿が、そこにはあった。

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昨年は自身1人での出演であったことから「今年はバンドを引き連れて来られて嬉しいです」と噛み締め、7月5日に発売したフルアルバム『FEARLESS』より「Stray Cat」をライヴ初披露した。アグレッシブに駆け抜けた序盤とは打って変わって、座ってキーボードを弾く。その光景がより観客の視線をぐっと引き寄せるのだった。続けて「アシカダンス」を演奏すると、立ってキーボードを弾く力強いパフォーマンスで躍動感が生まれ、「Slave of Love」へとなだれ込む。パフォーマンスによる視覚的な表現からサウンドによる聴覚的な表現まで、すべての表現において緩急をつけながら、観客の心を離さずに多幸感溢れるアクトが繰り広げられた。

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最後を飾るのは「ファビュラス」。その曲が鳴った瞬間、子供から大人までジャンプして踊る光景が広がる。さらに観客と一緒にジャンプする金のしゃちビールの幟(ドリンクコーナーに立っていたものである)も目に入ってきて、作り上げられた圧倒的なホーム感に感服するしかなかった。どんな場所でも自分のホームにしてしまう陽のオーラこそ、彼の持つ“音楽の力”なのだと思う。「ファビュラス」の鉄板曲としての強さもあるけれど、老若男女問わず誰もかれをも惹き込む、ビッケブランカの底力を改めて知らされる。最高潮のまま「皆さん、ありがとうございました!楽しい夏になりましたー!」と別れの言葉を残し、彼はステージを去った。出演2年目にして、ビッケブランカが篠島フェスにかかせない存在になっていたことは確実。後に「篠島ロス」とTwitterでこぼすくらい、彼もさらに篠島の虜になっているのだから。

(文:笠原幸乃)

セットリスト
1. Moon Ride
2. Take me Take out
3. Stray Cat
4. アシカダンス
5. Slave of Love
6. ファビュラス

※写真は全てZIP-FM提供

Official Site

http://shinojima-fes.jp/

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syachirock


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