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パノラマパナマタウン『Hello Chaos!!!!』インタビュー(1/2)

2017年6月7日に3rdミニアルバム『Hello Chaos!!!!』をリリースした、パノラマパナマタウン。神戸大学の軽音部から始まった彼らは、ロッキング・オン主催「RO69JACK」とMUSICA・A-Sketch・SPACE SHOWER TV・HIPLAND MUSICの4社合同オーディション「MASH A&R」においてグランプリを獲得し、瞬く間にロックバンドとしての歩みを加速させた。

彼らは今作を最高傑作だと自負している。今回のインタビューでは、その自信に辿り着いた過程を中心に、来るワンマンツアーの意気込みを語ってもらった。

(取材、文、画像作製:笠原幸乃)

絶対ポップで、みんなに届けるものにしないといけない


――今作が最高傑作だと自負する理由を聞かせてください。

岩渕想太(ヴォーカル/ギター):1stアルバム『SHINKAICHI』と2ndアルバム『PROPOSE』って、これらを作る前にもうすでにあった曲を改めてアレンジし直して作ったアルバムなんです。でも今回はゼロのところからスタートしていて。「リバティーリバティー」を1番最初に作ったことから、この曲を中心にポップなアルバムを作ろうっていうコンセプトを4人で立ち上げたんです。バンド内で話しながら、コンセプト通りに5曲新たに作り上げたいう意味で、最高傑作としています。

――ポップという選択肢を選んだきっかけというのは?

岩渕:まず前作『PROPOSE』がすごい尖ってて。聴く人を刺してやろうと尖ったアルバムを作りました。「このアルバムは俺たちなりの作品です。だから届く人が受け取ってください。分かる人にわかったらいいし、分かんない人は分かんなくていいですよ」という、届く人に届けばいいやっていう心算でした。当時、俺たちはパノラマパナマタウンの音楽にすごい自信があって、それで音楽シーンを変えれたりムーブメントを起こせるって思ってたんです。本当に良いって言ってくれる人は何人もいたけど、想像していたほどの大きな動きは実際作れなかった……という現状があって。

「シェルター」(2ndアルバム『PROPOSE』収録曲)

――一種の挫折、世間とのギャップみたいなものを味わったんですね。

岩渕:だから『PROPOSE』を作り終わった後に、もうちょっとポップなものを作ろうかなって自然に考えたんですよね。尖ったアルバムを作った反動でもあるんですど。もっともっと人に伝わるようなアルバムを作りたいなっていうのがありました。

――パノラマパナマタウンが考えるポップは、“人に伝わる”ということなんですね。

岩渕:そうですね。知らない人も引き止められるような、大衆を巻き込もうとする力みたいなものをポップだと思っていて。例えば、聴こうとしない人も街の中で流れたら「何だろう?」ってなったり、俺らのことを一切知らない人でもイントロだけ聴いたら「え?何のバンドだろう?」ってなったり。そういうのって今までの俺たちのアルバムにはなかったんです。誰でもかれでも引っかかるようなものではなかった。そこから網をより広げた感覚がポップだと思っています。

――『Hello Chaos!!!!』を作るに当たって、4人で話し合ったとのことですが、スムーズに満場一致で「ポップなアルバムを作ろう」ってなったんですか?

田野明彦(ベース):いざ制作に取り込もうってなったら、誰が言い出すでもないけど、「次の作品は絶対ポップで、みんなに届けるものにしないといけない」ってのは、みんな最初から認識していました。4人でずっと行動を共にしていて、日常会話とかの端々から考えてることを自然と共有できていたからだと思っています。

岩渕:ちょうど大学を卒業して4月からバンド1本になるし、バンドで食っていかないといけないタイミングであったのも関係してますね。だんだん4人の考えが1つになるじゃないですけど、バンドへの想いがかなり強くなっていった時にできたアルバムなんで、ちゃんと芯を射抜くものにしようって共有をしました。

 

自分たちの中にあるもので、オリジナリティを磨く考えにならなかった


――ポップ、つまり自分たちの音楽の網を広げるために、パノラマパナマタウンとしてどう突き詰めていったんですか?

岩渕:前作を出してから、いろんな人に「このバンドは結局何がしたいバンドなんですか?」とよく聞かれるようになって。そういう時に一言で答えられないっていうことに気付いてしまったんです。そこから『Hello Chaos!!!!』は「パノラマパナマタウンとは何なのか?」ということを4人で考えて作りました。パノラマパナマタウンのオリジナリティを、より強固で明確にするためにどうしようってことをあれこれ話し合いましたね。いろんなジャンル、例えば普段やらないスカのリズムをあえて持ってきて、いかに自分たちらしくできるか、自分たち流にできるかを考えて作りました。

――新しいものをインプットしてアウトプットしていくという挑戦をしたのは、なぜでしょうか?

岩渕:自分たちの中にあるものでオリジナリティを突き詰めようという考えにらなくて……っていうのは、今までは何も考えずに4人が出したい音を出したら、それがパノラマパナマタウンの答えになってたんですよ。ロジカルに組み上げたものじゃなくて、感覚的に出た音の塊が俺たちの個性だった。1回それを分解して 、4人が何の武器を持っているのか再確認することが必要だったんです。例えば、俺だったらラップや早口が得意でとか。自分たちの中にあるだけのものじゃ、どうしようもなかったんです。自分たちらしさを突き詰めるためには。

田野:実は「リバティーリバティー」は、1年前ぐらいからできてた曲のコードも歌詞もテンポやリズムも全部変えて作り上げたものなんです。4人でひたすらアイディアを出し合って曲を改造する過程で、今まで掛け声とかコーラス・声リフっていうのを避けてきたものをどんどん取り入れて、自分たちの武器にしようと挑戦しました。この経験から、今まで敬遠してたものでもパノラマパナマタウンの音楽に染められるんじゃないかっていう自信がついてきて。いろんなものを咀嚼して、ちゃんと自分たちの持ち味を1番活かせる方法で出すという行為をするようになりました。

「リバティーリバティー」(3ndアルバム『Hello Chaos!!!!』収録曲)

――新しいものを取り入れ磨き上げていった中で、オリジナリティの答えは出ました?

岩渕:いや、出そうで出なかった。やや出たかっていうくらい(笑)。『Hello Chaos!!!!』は訳すと「混沌に出会えた」っていうアルバムなんですけど、本当にその通りで、モヤモヤは掴めたんですよ。俺たちっぽいものが5曲を通じて見えたんですけど、でもまだまだこの先があるような気がしてて。そういうワクワクも含めて混沌ってものを肯定的にとらえようって意味での『Hello Chaos!!!!』としました。だからこの先、「自分たちの音楽がこれです!」ってものが出せるような気がしてて……それはこれ以降に期待!ってことで(笑)。

――バリエーションが豊富で、5曲でも内容は濃いと感じました。

岩渕:5曲それぞれが向いてる方向にちゃんと研ぎ澄まそういう意識がありました。1曲1曲違う方向を向いているんですけど、それが全部パノラマパナマタウンっぽくできたと思います。最初は5曲がバラバラに聴こえるかもしれないですけど、聴いているうちに「ああ、これがパノラマパナマタウンのやりたいことなんだ」って、だんだん軸がはっきりしてくる。曲ごとの密度は高いなと思ってますね。

 

▼後半へ続く▼

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