HOME ReportLive Reportiri「SAKAE SP-RING 2017」@SPADE BOX 2017/06/03

iri「SAKAE SP-RING 2017」@SPADE BOX 2017/06/03

同じ気持ちだったら、一緒に踊らない?
iriが伝える無形のメッセージ

SPADE BOXのトップバッターは注目の若手女性シンガーソングライター、iri。開演時刻になると、アコースティックギターを持って静かに登場した。ブルーのライトがステージ上の彼女をそっと包み込む。フロアが一瞬しん…となった後、美しい音色と歌声がすーっと響き渡った。<夕暮れに 日が沈むの 溶け込むよう この体に>。「フェイバリット女子」のこの1節で、心と体がまたたく間に弛緩した。固い結び目がするするっとほどけていく感覚。うっとりしながら聴き終わると、会場は穏やかな雰囲気に変わっていた。

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そして、ここからが彼女の真骨頂である。ギターはステージ脇に置かれ、代わりに現れたのはTAAR(DJ / トラックメイカー)。「breaking dawn」「ナイトグルーヴ」といったエモーショナルな楽曲がフロアに投下されていく。洗練されたハウステイストのサウンドに乗る彼女の歌声は、AIや久保田利伸といったR&Bシーンのシンガーに通じる色気を感じさせる。歌唱スタイルはやや違うが、スモーキーでセクシーな声色を用いて情感たっぷりに歌い上げる。かと思えば、リズミカルにラップを繰り出す場面もあった。ガチガチに固めた韻を踏むのではなく、聴き心地の良いフロウを重視している印象だ。ムーディなダンスグルーヴに観客はノリはじめ、思い思いに踊り始める。中には目を閉じて聴き入っている人もいた。

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MCではあまり言葉を発しなかった。また、曲中に無理やりハドクラップを求めることはなく、激しいコール&レスポンスを要求することもなかったが、彼女がとても楽しんでいることは振る舞い方でわかった。とてもゆったりと、気持ちよさそうにダンスしていたから。そうした”あるがままに楽しむことのクールさ”をステージ上で提示することで、彼女は観客たちに無言でこう語りかけているように思った。「私はこんな風に思うけど、あなたはどう?同じ気持ちだったら一緒に踊らない?」と。そこで共感した観客たちは、ああそうだ、私も彼女のようにダンスするのだ、という気持ちにさせられる。彼女の姿勢に背中を押され、勇気づけられて、またがんばろうという意思が沸々と湧いてくる。そんな効果が彼女の音楽にはある。

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幸福な時間はあっという間に過ぎていき、最後の一曲が終わると、彼女に向けて盛大な拍手が送られた。そのボリュームの高さが、この時間の充実度を表していたと思う。

(文:東憲吾 写真:古川喜隆)


 

ライヴスケジュール

「Borderless~ Kan Sano× iri × PAELLAS ~」
・2017年6月23日(金) 東京/代官山LOOP

「夏びらきMUSIC FESTIVAL 2017」
・2017年7月1日(土) 大阪/服部緑地野外音楽堂

「CORONA SUNSETS FESTIVAL 2017」
・2017年7月9日(日) 沖縄/沖縄美らSUNビーチ 野外特設ステージ

「寝待月のショー2017」
・2017年8月11日(金) 滋賀/大津市桐生キャンプ場

詳しくはオフィシャルサイトまで
チケットぴあ 中部・北陸

Official Site

http://www.iriofficial.com

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