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猫を堕ろす(東海アーティストレコメンド 2017)

気まぐれ猫の、ひねくれポップ

2013年、伊藤薫人(シンセサイザー/ヴォーカル)を中心に名古屋大学のフォークソング同好会にて結成された、男女のツインヴォーカルを擁す5人組シニカル・ポップバンド。ベースのしじゅんが切羽詰まって呟いた「猫を堕ろす」という謎のツイートを伊藤薫人が気に入り、バンド名にしたのが始まりとのこと。

シニカルとポップという真逆の要素を併せ持つ彼らの楽曲は、ひとクセもふたクセもあるものばかり。最新曲「恋する猫は淑女の気持ち」では、イントロからその片鱗が窺える。夢見心地の電子音でポップに始まったかと思いきや、いきなりゴリっとロックなギターリフがぶちこまれる(ちなみにこのギターを弾くのは2015年の名古屋アーティストレコメンドで紹介したSuspended 4thのギタリスト・澤田誠也)。

そして在りし日のおニャン子クラブを彷彿とさせる(猫だけに)アイドルソング調の「日傘のリーズ」もまた、ひねくれている。中盤までは「ハイッ!」と野太い合いの手と、しじゅん(ベース)とたまちゃん(ドラム)による弾力のあるグルーヴが絶妙なポップサウンドが、意気揚揚と流れてゆく。しかし突如としてメロディーが歪み始め、最終的には民族調のシンセフレーズで幕を閉じるという、なかなかの奇天烈っぷりである。

そんなサウンドとタッグを組む伊藤薫人とイカリヤマナツの歌も、やはり一筋縄ではいかない。冷静沈着な伊藤の歌声と、キュートだがひょうひょうとしたイカリヤマの歌声。2色の歌声が重なり合ったり離れたりしながら愉快犯のように聴く者を翻弄してゆく。そして極め付きは、皮肉可愛い歌詞の数々。「恋する猫は淑女の気持ち」では〈私足りないフリ/それがレディ/いちばん(ファースト)の条件なの〉と猫をかぶってみせる一方で〈しとやかに襲ってみたい〉と隠したツメをチラつかせるのだ。

ありきたりのポップスに飽きたら、気まぐれ猫のひねくれポップを召しませ!

 

猫を堕ろす

伊藤薫人(シンセサイザー/ヴォーカル)、イカリヤマナツ(ヴォーカル)、澤田誠也(ギター)、しじゅん(ベース)、たまちゃん(ドラム)から成る5人組シニカル・ポップバンド。2016年にイカリヤマナツ(ヴォーカル)が加入し、活動が本格化。“自分たち自身がライヴハウスで観たいバンドを呼ぼう”というコンセプトを掲げ、自主企画にこだわったライヴ活動を重ねている。そして同年、「恋する猫は淑女の気持ち」でRO69JACKへ入賞を果たす。今年1月にはかねてよりサポートギターを務めていた澤田誠也(ギター)が正式加入し、現体制へ。5月7日には初となるアルバム『The Cats Are Alright』を発売し、レコ発自主企画「悲しいことに慣れたならvol.6」を開催予定。

Official Site

http://nkwors.com/

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