HOME ReportLive ReportTHE NOVEMBERS「 TOUR『美しい日』」@池下CLUB UPSET 2017/04/22

THE NOVEMBERS「 TOUR『美しい日』」@池下CLUB UPSET 2017/04/22

この瞬間にも更新していく、“現在が最高である”独自のスタンス

2016年11月11日、バンドの結成11周年を記念したワンマンライヴを東京・新木場STUDIO COASTにて行ったTHE NOVEMBERS。特別なその日を終え、彼らは春からの全国ツアー開催を発表した。DYGL(デイグロー)をゲストに迎えた、初日・名古屋公演のレポートをお届けする。

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SEもなくステージ上に、突如DYGLがするっと現れた。会場が少しどよめく中、Nobuki Akiyama(ヴォーカル/ギター)が「DYGLです。よろしくお願いします」と挨拶をして「Come Together」でスタート。カラっとした質感のある独特なサウンドに会場は包まれ、オーディエンスは体を自由に揺らした。Yotaro Kachi(ベース)がクールに澄ましながら放つベースラインが心地良い。続けて「Take It Away」から休むことなく演奏し、若く荒々しいグルーヴが勢いづいていく。序盤から物怖じしない空気感が漂い、そんな彼らが鳴らす音像にオーディエンスは釘付けになるのだった。

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一息つき、Akiyamaが「早速、酒を飲んでやってます」と打ち明け「Happy Life」へ。これまでとは違うYosuke Shimonaka(ギター)の柔らかいサウンドが響き渡る。さらに重なり合うコーラスが、トリップしてしまいそうな感覚を生んだ。また8曲目「Let It Out」ではKohei Kamoto(ドラム)の力強いサウンドが、くっきりとした輪郭を保ったまま耳へ届いた。緩めるところは緩め、締めるところは締める――緩急をつけたバンドサウンドは、4人での音だけというシンプルなもので形作られている。シンプルだからこそ、凝縮されていくグルーヴ感が鮮明に分かり、その過程も含めて魅了されていくのだろう。

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最後の曲は「Don’t Know Where It Is」。一段と深みを増した音が会場の空気を一瞬にして変える。密度の高いサウンドが弾ける様子に、オーディエンスの視線は注がれた。​4月19日に発売した1stフルアルバム『Say Goodbye to Memory』収録曲でのセットリストだった今回。このアルバムツアーにおける6月10日池下CLUB UPSET公演が、さらに待ち遠しくなる時間だった。

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「こんばんは。来てくれて、ありがとうございます」。THE NOVEMBERSにとって初日となる名古屋公演は、小林祐介 (ヴォーカル/ギター)の言葉で始まった。1曲目のイントロが鳴り響いた瞬間、その音に導かれたようにオーディエンスはステージへと視線を注ぐ。楽曲、そしてバンド自体が持つ引力の強さを改めて感じるのだった。序盤は幻想的なサウンドスケープを描く、しなやかな音像で魅了していく。青や白のライトに包まれ、4人のシルエットが浮かび上がる中での演奏であったり、照明の演出もそのサウンドを引き立てる。聴覚だけでなく視覚へのアプローチも合わせて、彼らの世界観へと潜っていくように、陶酔的な空気感が会場を包み込んでいた。

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初日ならではの緩やかなスタートでありながら、徐々にバンドサウンドに熱が帯びグルーヴが凝縮されていく様に昂揚したのは、きっと私だけじゃないはず。ケンゴマツモト(ギター)がステージ前方に出たり、曲を重ねるごとにダイナミックになっていく演奏、音と音がぶつかり合う緊迫感の増す光景。そして真っ直ぐ前を見て、視線を揺らがせることなく凛と歌う小林の存在感。片時も目が離せず、爆音が耳を蝕んでいく。湧き上がる興奮が弾けたように、フロアには歓声が響いた。

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特に、小林が競演したDYGLへの想いを話して「僕らは僕らの感じでいくんで」と言葉を残した後から、圧倒的なステージングが繰り広げられた。ステージ上の彼らが生まれ変わったんじゃないかと思ってしまうほどの音像の違い。爆散するサウンドからの波動に身震いがした。轟音で切り裂く、求心力の高い楽曲を並べたセットリストも功を奏していたけれど、格段に加速した音だったのだ。

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終盤の「黒い虹」で小林の弦が切れてしまうアクシデントにも見舞われたが、中断して曲を初めから演奏し直すということをノベンバは選択しなかった。ギターを受け取る少しの時間でも4人は手を止めることをせず、集中力は保たれたまま最後の一音まで鳴らす。そして「今日会えて嬉しかったです。次、会う時まで元気で!」と挨拶をしステージを去った後、何の前触れもなくアンコールでもう一度「黒い虹」を披露したのだった。オーディエンスはこの曲を再び演奏した意味を瞬時に理解したのだろう、会場の空気はより熱狂性が高いものへと変化する。フロアとステージとの相互作用で渦巻く昂揚感の中、ほんの数十分前に放たれた曲をこの瞬間に更新していく――“いつだって現在が最高なんだ”とするノベンバの姿勢を、短い時間で実感させられた。本編での背景があってこその熱狂であったけれど、彼らのブレることのないスタンスが体現された光景であり圧巻だった。

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(文:笠原幸乃 写真:郡元菜摘)

 


 

セットリスト
【DYGL】
1. Come Together
2. Take It Away
3. Let It Sway
4. Crazy
5. Boys On TV
6. Happy Life
7. I’ve Got to Say It’s True
8. Let It Out
9. Waste of Time
10. Don’t Know Where It Is

【THE NOVEMBERS】
1. 美しい火
2. Romancé
3. Chil
4. 1000年
5. Strum und Drang
6. 永遠の複製
7. 愛はなけなし
8. We
9. 236745981
10. あなたを愛したい
11. keep me keep me keep me
12. 風
13. きれいな海へ
14. 鉄の夢
15. Blood Music.1985
16. こわれる
17. 黒い虹
18. Hallelujah

ライヴスケジュール
【DYGL】
「Say Goodbye to Memory Den Release Tour」
場所:池下CLUB UPSET
日時:2017年6月10日(土) 開場17時30分 / 開演18時00分
チケット:前売3,000円(当日未定、ドリンク別500円)
※一般発売中:ぴあ 328-089・LAWSON 43525・e-plus
問い合わせ:JAIL HOUSE(TEL:052-936-6041)

【THE NOVEMBERS】
「『ROSES』THE NOVEMBERS live at SHINAGAWA GLORIA CHAPEL」
場所:東京都 品川教会グローリアチャペル
日時:2017年8月25日(金)

 

Official Site

DYGL:http://dayglotheband.com/
THE NOVEMBERS:http://the-novembers.com/

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