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IMAIKE GO NOW主催者インタビュー《後編》

IMAIKE GO NOWの主催である、ジェイルハウスの土屋大輔さんを迎えたインタビュー。イベントが始まった経緯を聞いた前編に続き、後編では土屋さんが生業とするコンサートプロモーターの仕事について語ってもらった。初めは業務内容にギャップを感じたという意外なエピソード、土屋さんのパーソナルな面が垣間見える言葉は、働くすべての人に読んでもらいたい内容だ。コンサートプロモーターとして、ひとりの“今池好き”として、土屋さんが考えるIMAIKE GO NOWの今後の展望、そしてイベントをどんな風に楽しんでもらいたいか、普段はなかなか表に出ることがない主催者の声をぜひ聞いてみてほしい。

(取材、文:青木美穂 写真:望月美穂)

 

役所の人と話す脳みそも、打ち上げでバカ騒ぎする脳みそも持ってないといけない。あらゆるチャンネルが必要な仕事


 ――ここからは、土屋さん自身についてもお話を聞かせてください。コンサートプロモーターとは、どんなお仕事なんでしょうか?

このエリアのライヴをサポートする仕事って言えばいいんですかね。あるアーティストが名古屋でライヴをやるとなったら、まずアーティストサイドの希望に沿った形でここがベストじゃないかという会場の選定。次はそのコンサートにお客さんを集めるための宣伝とチケットを売ることで、ここがメインになってくるかも知れないです。ライヴ当日を迎えたら、ホテルや食事の手配、送り迎えとか、アーティストやスタッフの皆さんが働きやすい環境を整える作業ですね。ライヴが終わったら打ち上げの場所を探したり。

――ライヴ環境にまつわるすべてという感じなんですね。

一番肝心なのはチケットを売って、アーティストをちょっとでも大きくするためのお手伝い。それとコンサートに関わる、専門的じゃないこと全般かな。僕らはPA卓のこと、楽器や照明のことはわからないんだけど、そういう職人さんたちが働きやすい環境づくりをするのも仕事で。例えば火薬を仕込んで演出したいんだと言われれば、消防署まで相談しに行って、火薬を使用するのに必要な指導も受けますし。それを聞いた現場のスタッフの人たちが「もっと派手にやりたい」と言うなら、そこからの交渉もします。

――交渉ごとが多そうですね。

そういう公共の方と話す脳みそを持ってないといけないし、ミュージシャンの人とバカ騒ぎする脳みそも持ってないといけない。いいお店を知ってるか聞かれたときに、街の情報も知ってなきゃいけない。あとはお客さんが何をもって「コンサートに行こう、チケットを買おう!」と思ってもらえるのかというマーケティングも当然しなきゃいけないし。「このキャパでやってるとバンドさん損しちゃいますよ」っていう計算力とか。あらゆるチャンネルが必要な仕事ですね。

――一般企業なら部門が分かれるところを全てひとりで担っている感じですよね。

同業他社さんでも大きな会社なら分かれてるところはあるんですけど、うちは小さい会社なので、みんなそれぞれ自分でやってますね。今日だって打ち合わせの合間を縫って、ステージで使うタオルの洗濯してきましたし(笑)。

――頼まれればレキシのライヴにも出る(レキシツアー 遺跡、忘れてませんか? <名古屋公演>のアンコールに出演)と…。

そう(笑)。やりたくないんですけどね…。

――アーティストと仲はいいんですか?

いや、そこは線を引いておかないといけない部分というか。前のめりに距離を詰めるよりも客観的に見れたほうが、僕らの仕事はうまく作用していくんじゃないかな。「こんなことやりたいんだ」っていうのを聞ける関係性ではありたいなと思いますけど、ミーハー心で友達になろうとは思ってないです。言葉尻だけだと前半の話とつじつまが合わなくなってくるけど、好き嫌いだけで成り立つわけではないというか。人間関係的な好き嫌いではなくて、音楽が好きなのに売れてない、売れてなきゃおかしいって感覚は持ってないとって思うから僕の中では合ってるんですよね。

 

「あれっこの仕事面白い」と思った瞬間から、改めて音楽が好きになった


――ジェイルハウスには大学を卒業してすぐ入社されたんですか?

いや、老舗の家具屋さんに3年いました。だけど一般企業で働くような人間性をどうも持ってなかったみたいで(笑)、上の方とソリが合わずやめちゃったんです。で、転職雑誌をパラパラ見てたらたまたまジェイルハウスが目に入って。それこそどういう会社なのか全然知らなかったし、イベンターって業種があること自体あんまりわかってなかったけど、関連会社のラジオ・テレビ制作とか、面白そうだなと。そういう軽い気持ちで履歴書を送って面接に行ったら「今回はコンサートの方になるけどいい?」と聞かれて。それで雇ってもらって、初めてこういう仕事なんだと知ったときは…けっこうショックでしたね。

――想像してた音楽業界とはギャップがありました?

ありましたねえ。自分が思ってた華やかなイメージとは違ってたな。バンドをトップとするヒエラルキーがあるとすれば、僕らその一番下の下だから、名前を憶えてもらえなかったり、呼びつけられて怒られるとかけっこうありましたよ。でも、どっかのタイミングで…ギターを弾き出した人もそうだと思うんですけど、上手に押さえられなかったコードをパッと押さえられるタイミングってありますよね。そういう、「あれっこの仕事面白い」となった瞬間があったんですよね。そこからスタッフに怒られても冗談で返して、和ませるというやり方を覚えたり。改めてライヴを観てアーティストのことが好きになったりとか、改めて音楽がまた好きになりました。それが今もずっと続いている感じです。

――てっきり、音楽が大好きで最初から音楽業界を目指して…って感じかと思っていました。

結局…今日の話全部、ずーっとそうですけど…あんまり志高くないんですよ(笑)。

――(笑)。でも全部いい方に転がってる感じですよね。

あ、でも確かにそうですね(笑)。おかげさまでそうなってますね。性格上なのかわからないですけど、あんまり先々のプランを考えてないというか、その場のノリっていうか…(笑)

――フットワークが軽くて積極的な印象がありますが、それは昔からですか?

それは自分ではわかんないですね。あ、でも18年前のジェイルに入ったばっかりの頃、親父が死んだ前と後ではちょっと違うかな。さっき話した、音楽楽しい!って覚醒したのもその頃かも。人って意外とすぐいなくなるんだっていうのを実感して、それなら今を楽しまないと損だなというか。自分のなかに、積極性みたいなものが生まれたかも知れない。

 

街全体が自然発生的に変なことになってくれると今池っぽくて面白い


――土屋さんのような人がいるからこそ、東海エリアに面白いイベントがあるんだと感じます。IMAIKE GO NOWの今後の展望はありますか?

せっかくいい音楽を提供する場が作れたので、続けたいなと思ってます。規模をでかくしたいとか、名を上げたいとかそういうのはなくて。あとは、街全体が自然発生的に変なことになってくれると今池っぽくて面白いなって思うんですよね。例えばリストバンドをつけてる人がお店に行ったらビール半額とか、公園でおじさんがずっと演奏してるとか、僕らからの働きかけじゃなく勝手にやってくれたら嬉しいです。商店街の人たちが「何やっとるら?」て気にしてくれて、うまいこと利用してやろうって思えるぐらい魅力的なイベントにしたいですね。今池の街と一緒にグルーヴできるといいな。あと…OUTRAGE呼びたいですね。名古屋が世界に誇るヘビメタバンドで、大好きなんですよ。

――地元バンドでも敷居が高くて呼べないと話してたのは…。

OUTRAGEさんもその中のひとつですね。ジャンルには全くこだわってないイベントだし、音楽に対するアンテナの張り方が高い方々が集まってくださってるイメージもあるから、そういう人たちに世界レベルでめちゃめちゃかっこいいバンドが名古屋にいるよっていうのは改めて紹介したいと思ったりします。

――最後に、お客さんにどんな風に楽しんでもらいたいですか?

新しい音を見つけに来てくださいって感じかな。どこの会場に行っても、がっかりしないアーティストがいっぱい集まってくれてるから。もちろんお目当てのアーティストがきっかけでこのイベントに来てくださるのはすごく嬉しいことだけど、新しい偶然の出会いを求めに来てくれるともっとイベントが楽しめるかも知れない。“(観れなくて)ハーッ”で終わらずに、「じゃあ次あっち行ってみよう」とか、もしくは「この店のこれめっちゃうまいな」って飲み屋さんのメシ食って感動するとかもいいと思うんですよね。何年も会ってなかった友達とバッタリ会って、「今から何観るの?私はあれ行こうと思う」「ならそっち一緒に行こうかな」って、そこでまた偶然いいバンドとの出会いがあるかも知れないし。イベント全体を様子見に来るような気楽な感じで、トータルで楽しんでもらえると嬉しいな。そういう場が提供できるように頑張りますので。

――そこからまた居酒屋で感想を言い合うのも楽しそうです。

そうそう。 TOKUZOが5時までやってますので、朝まで飲んでってもらってもいいし(笑)。

 

IMAIKE GO NOW 2017

日時:2017年3月25 日(土)・26日(日)  開場:13時00分 / 開演:13時30分
会場:BOTTOM LINE / TOKUZO / CLUB UPSET / HUCK FINN / 3STAR IMAIKE / 今池リフレクトホール(旧SECOND VISION) / BL CAFE / PARADISE CAFE 21 / valentinedrive
出演:【3月25日(土)】Aiming For Enrike / Althea / チーナ / 堕落モーションFOLK2 / GEZAN / gomes / グッバイフジヤマ / グッドラックヘイワ / Helsinki Lambda Club / HINTO / 百長 / ikanimo / JABBA DA HUT FOOTBALL CLUB / かみぬまゆうたろう / かみぬまゆうたろうバンド / カネコアヤノ / Keishi Tanaka / Kidori Kidori / 奇妙礼太郎 / Klan Aileen / クウチュウ戦 / LUCKY TAPES / Made in Asia / 前野健太 / ミツメ / MASS OF THE FERMENTING DREGS / mudy on the 昨晩 / NOT WONK / Open Reel Ensemble / qujaku / Rega / RIDDIMATES / 蔡忠浩 / さかいゆう / SANABAGUN. / sébuhiroko / 6EYES / The Skateboard Kids / Someday’s Gone / sooogood! / サニーデイ・サービス / 須藤寿GATALI ACOUSTIC SET / teto / TGMX / トリプルファイヤー / Two Lead / UQiYO / WONK / XERO FICTION / Yasei Collective / yule
【3月26日(日)】ADAM at / 赤い靴 / Analogfish / Awesome City Club / BUGY CRAXONE / COUNT PHANTOM / Czecho No Republic / DATS / 怒髪天 / DENIMS / ドミコ / DYGL / The Folkees / フレンズ / FRONTIER BACKYARD / フルカワユタカ / iri / KETTLES / キネマズ / 空気公団 / 黒猫チェルシー / THEラブ人間 / mol-74 / NakamuraEmi / 中村佳穂 / 七尾旅人 / ニカホヨシオ / noodles / OLDE WORLDE / Pampas Fields Noise Found Art / the peggies / リーガルリリー / Rei / ReN / 佐々木健太郎 / 下岡晃 / TheSpringSummer / Sundayカミデ / シュリスペイロフ / TRI4TH / uri gagarn / The Wisely Brothers / 山中さわお(the pillows) / YOUR ROMANCE
チケット:前売 1日券5,000円/ 2日通し券9,000円(ドリンク代別)※整理番号なし

Official Site

http://imaikegonow.com/

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