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IMAIKE GO NOW主催者インタビュー《前編》

名古屋・今池エリアの9会場でライヴを楽しめるサーキットイベント、IMAIKE GO NOWが今年も3月25 日(土)・26日(日)の二日間で開催される。このイベントの特色はなんといっても今池(ちょっとだけ池下)という街を舞台にしているところだ。公式サイトには「独特な雰囲気を持つ今池という街の面白さも感じ取って頂ければ」とあり、ライヴだけでなく街そのものを楽しんで欲しいという主催側の思いがうかがえる。このイベントがどのように生まれたのか、なぜ今池の街を選んだのか?主催であるジェイルハウスの土屋大輔さんにその思いを語ってもらった。

(取材、文:青木美穂 写真:望月美穂)

 

成功している実感がないからこその二日間開催


 ――3年目の今年は二日間開催ですが、イベントが成功している実感はありますか?

正直、ないから二日間にしてみようという感じです。去年、自分なりに反省点を考えたときに、出て欲しかったけどタイミングが合わず叶わなかったアーティストが結構いたなと思っていて。元々個人的な趣味でイベントをやりたいというところから始まっているのに、こちら側が枠を用意できずに出てもらえないのはちょっと寂しいなと。こっちも出てもらいたい、向こうも出たいって言ってくれてるなら、その受け皿はちゃんと用意したいと思っての二日間です。だから最初は考えてなかったですね。

――そうだったんですね。他に何か感じたことはありましたか?

特に初年度なんですけど、入場規制がどうしてもかかっちゃって。サーキットイベントは若干入場規制コンテストみたいな一面もありますけど、僕がやりたいのはそういうことじゃない。お客さんが快適に観れて、かつ出演者・スタッフが慌ただしい中でも100%の力を出せるタイム感を目指したい。

――どの会場にどれぐらいのお客さんが来るのか、当日フタを開けてみないとわからない難しさがありそうですね。

それはもちろん。ただ、全ての会場が同じ時間軸っていうのは良くないと思っています。会場のつくり、条件、ライヴハウスの距離感もありますし、観たいアーティストの時間が被ったときでも、せめて途中まで、もしくは途中から観られるタイムテーブルなら、お客さんの満足度も上がるかなというのは常に考えてます。サーキットイベントだからどうしても時間は重なっちゃうんですけど、その重なり具合がもうちょっとゆるやかだといいなと。それが最大の反省点というか、今後の目標です。

 

メジャーな音楽を聴いてるお客さんとアンダーグラウンドな音楽を聴いてるお客さんの垣根を壊すきっかけに


――土屋さんの個人的趣味がきっかけというお話でしたが、IMAIKE GO NOWが始まった経緯を教えてください。

ビジネス的なしがらみを排除して、自分が売っていきたい、かっこいいと思ったアーティストの活躍の場を広げたいって思ったんですね。売れてるアーティストを追いかけるのももちろん大事なんだけど、このイベントに出たことによって、今まで日の目を見てなかったアーティストの注目度が上がる場であってほしい。自分がこの仕事をやっていて、そういう場をしばらく作れていなかったと思ったんです。

――そう思ったのはきっかけは何かあったのでしょうか?

ちょっとずつ積もっていたものがあったんですけど。やっぱりダイレクトにチケットが売れてる枚数を見ながら日々生活してると、こんないいアーティストなのになんで売れないのかなと感じることが多くて。もっと人気が出て欲しいアーティストに何が足りないんだろうって考えたら、お客さんが集まる場を作って、出演してもらうことだよなと。やっぱりこの仕事をしている以上、アンダーグラウンドな音楽だけがかっこいいわけではないと思うんですよね。メジャーな音楽を聴いてるお客さんとアンダーグラウンドな音楽を聴いてるお客さんの間にある垣根を壊すきっかけになればいいなと。あとは元々ライヴハウスが好きなので、お客さんが気軽にライヴハウスに来れるようなものもつくりたいと思ったかな。

――イベントの構想はけっこう前からあったのでしょうか。

いや、実は何にもなかったんです。でもやるって決めてから実行に移したのは1日~2日でしたね。今池でサーキットイベントっていうのがパッと思い浮かんで。ある打ち上げの席でレーベルの方に相談してみたら、「面白そうじゃん!やろうよ」って言われて、「じゃあ、やるわ!」と。次の日にはもう各会場に連絡して、一年後の3月の最終週なら空いてるよってとこが多かったから、そこでバババッと決めました。

――思いついてからが早い!特に今池を盛り上げたい、という気持ちからのスタートではないんですね。

今ずっと会話をしていて思ったのは…「俺やっぱそんな志高くなかったなぁ」と(笑)。今池が盛り上がったらいいなというのは、結果的にそうなったら面白いなってレベルで、僕の“今池好き感”をみんなと共有したいということの方が大きいかな。恩着せがましく「いいとこでしょ?」って言えるほど今池の住民でもないし。いいアーティストを見せる場としては、もしかしたら他にも最適な場所があったかもしれない。でも、普段自分がどこにいると居心地いいかっていうと今池だから。

 

生活のなかでフックになるような時期だから、思い出に残る存在になったらいいな


――キャッチーなイベントタイトルですが、すんなり決まったのでしょうか?

全部ノリです(笑)。でも未だにダジャレだって気づいてない方が意外と多いんですよ。

――私も途中まで気づかなかったんですが、公式サイトを見てるとしつこく…(笑)。

「今池」に「今行け」と(笑)。実はイベント名だけは流用してるんです。6年前にハックフィンでSCOOBIE DOとa flood of circleの対バンイベントで「Go Now!!」っていうのをやったことがあって。それが発展したわけじゃないですけど、イベントタイトルどうしようって考えたら、そういえばやってたなと。それだけだとなかなか伝わらないから頭に今池ってつけました。スクービーはIMAIKE GO NOWに出てるけど、フラッドはまだ一回も出てないからいつか呼びたいな。

――開催時期は、3月末恒例になってますね。

時期は消去法で決まった感じです。夏フェスシーズンはやめて、アーティストがツアーに出る夏前、秋冬は避けて、真冬の寒い時期はお客さん的にはあんまり気持ちよくないからやめましょうと。で、最終的には冬と春の境目ぐらいかなって決めました。ただリスナーの方々にとっては、進学や就職で生活の拠点が変わっちゃうかもってタイミングなんですよね。

――確かに。

でも逆に考えると、新しい生活が始まるというタイミングってすごく印象には残る気はするんですよ。引っ越す前日にIMAIKE GO NOW行ったなとか、ゴーナウ参加してるときに、滑り込みで受けた会社の採用連絡がきたなとかね。普段の生活のなかでフックになるような時期なので、思い出に残る存在になったらいいなと思います。

 

地元に面白いバンドがいるっていうのはすごくアピールしたい


――出演アーティストについてお聞きしたいです。ブッキングのときに意識していることはありますか?

「このバンド面白い!」って僕が思えるかどうかですね。ありがたいことに出してほしいって声もあるんですけど、一般公募するのは違うなと思っていて。イベントのカラーをつくるのがそんな他力本願じゃいかんなと。そこに僕らの思いというかこだわりがないといけないから、出たいと言われてもイベントの色に合わないからお断りした方々も実際いたりします。売れてる売れてないとか、事務所の力とか、普段の仕事づきあいとかを重視したブッキングではなく、政治的なところはゼロでやりたいなと思っています。

――ADAM at やThe Skateboard Kidsなど、東海地方のアーティストも多数出演しますが、そこは意識的にでしょうか?

ちょっと意識してます。地元に面白いバンドがいるっていうのはすごくアピールしたいです。地元ですごいキャリアのある方とか、敷居が高いイメージでお声がけする勇気がでませんでしたって人も正直いるんですけど。いっぱい出て欲しいので、The Skateboard Kidsが二日間連続で出たり、百長はバンドでの出演と大森くん(ヴォーカル)のソロ出演があったりします。

――これは見ておいた方が…というアーティストはいますか?

難しいですね…。例えばSuchmosとか、ああいうスタイルの音楽を初めて知って興味を持った方は、一日目のWONKはしっくりくるんじゃないかな。

――「個人的に、このパフォーマンスは見逃せない!」というバンドがいれば教えてください。

個人的に観たい人…それ全部だもんなあ(笑)。正直、本当に全部なんですよ。だから、コレって決めるのは難しいんだけど…あえて言うならば、IMAIKE GO NOWに来てくれるお客さんに向けて、怒髪天の兄さんたちがどんなショーをやってくれるのかものすごく楽しみですね。怒髪天は、クドカン(宮藤官九郎)さんと親交があったり、実はああいう(サブカル的な)文化発信してる方々の琴線にもふれるスタイルのバンドなんですよ。

――パワフルで元気が出るパフォーマンスですよね。

普段こういうオジサマロックバンドをあまり聴かない方に、逆に見て欲しい。ぐっとくるんですよね。人間味っていうか、丸裸の人間くささみたいなのが実はすごくおしゃれでかっこいいことなんじゃないかなと。フジロックに出たときにさすがにそれはアウェイでしょって思ったらそれが逆にいい温度感になってお客さんをばっと引き込んでいて。そういうことができる方々なので…(タイムテーブルを眺めながら)でもやっぱ全部だな~!

 

今池って生活臭がすごくするし、深みとコクがあるというか。昔から面白い事をやってる人たちのたまり場


――今池を選んだのは思い付きということでしたが、今池の街の一番の魅力ってどんなところだと思いますか?

そんなに時代の最先端を走ってるような人が闊歩してる街では決してなくて、もっと…生活臭がすごくする街じゃないですか。僕は多治見出身なんですけど、やっぱり栄とかには構えていかないと、なかなかそこに入り込めないって思ってて(笑)。ハックフィンとかに出入りするようになった高校生ぐらいの時は怖い街だなーって思ってたけど(笑)、大人になってから飲みに行ったり食事に行ったりするとき、今池って街が個人的にすごくしっくりきてるんですよね。田舎者が田舎者のまんまで居れる街でありながら、名古屋のすごく重要なポジションにあるというか。ライヴハウスも多くて、今の仕事も今池近辺が拠点のひとつにはなってるので、そういった意味で個人的に好きな街です。

――学生時代から思い入れがあるんですね。

そうですね。昔、今池カラーズっていう屋台とディスコみたいのが期間限定で広がってた施設があって。当時の名古屋の音楽シーンとかカルチャーの部分で、面白い事をやってる人たちのたまり場になってたんですね。昔から今池っていう街は文化的に面白いことをやってる方々が集まりやすい場所だったんだなって。深みとコク…(笑)を感じるというか。大須とかも好きですけど、もっと人でわちゃわちゃしてる感じがあるでしょう。今池ってさびれた感じもあって、それが逆にぐっとくるというか。

――哀愁みたいな。

そうそうそう。そこも含めて、今池という街の魅力も感じてもらえたらいいなとは思いました。去年やった犬丸ラーメン(2012年に閉店した伝説のラーメン店「大丸」のコピーバンド)にしても、ミュージシャンの舟橋くん(JONNY/パイプカツトマミヰズ/犬栓耳畜生/白線の内側などで活躍しているベーシスト)がコピーしてくれたけど、ミュージシャン目線というか、音楽好きな人達のほうが、大丸っていうラーメン屋の魅力を感じているんですよね。

――今池の街の魅力も、音楽好きな人のアンテナに近いのではないかという。

な、気がするんですよ。ただ、今池でやろうって言ったときには、そこまで考えてないです(笑)。後付けではあるんですけど。

後編へ続く

IMAIKE GO NOW 2017

日時:2017年3月25 日(土)・26日(日)  開場:13時00分 / 開演:13時30分
会場:BOTTOM LINE / TOKUZO / CLUB UPSET / HUCK FINN / 3STAR IMAIKE / 今池リフレクトホール(旧SECOND VISION) / BL CAFE / PARADISE CAFE 21 / valentinedrive
出演:【3月25日(土)】Aiming For Enrike / Althea / チーナ / 堕落モーションFOLK2 / GEZAN / gomes / グッバイフジヤマ / グッドラックヘイワ / Helsinki Lambda Club / HINTO / 百長 / ikanimo / JABBA DA HUT FOOTBALL CLUB / かみぬまゆうたろう / かみぬまゆうたろうバンド / カネコアヤノ / Keishi Tanaka / Kidori Kidori / 奇妙礼太郎 / Klan Aileen / クウチュウ戦 / LUCKY TAPES / Made in Asia / 前野健太 / ミツメ / MASS OF THE FERMENTING DREGS / mudy on the 昨晩 / NOT WONK / Open Reel Ensemble / qujaku / Rega / RIDDIMATES / 蔡忠浩 / さかいゆう / SANABAGUN. / sébuhiroko / 6EYES / The Skateboard Kids / Someday’s Gone / sooogood! / サニーデイ・サービス / 須藤寿GATALI ACOUSTIC SET / teto / TGMX / トリプルファイヤー / Two Lead / UQiYO / WONK / XERO FICTION / Yasei Collective / yule
【3月26日(日)】ADAM at / 赤い靴 / Analogfish / Awesome City Club / BUGY CRAXONE / COUNT PHANTOM / Czecho No Republic / DATS / 怒髪天 / DENIMS / ドミコ / DYGL / The Folkees / フレンズ / FRONTIER BACKYARD / フルカワユタカ / iri / KETTLES / キネマズ / 空気公団 / 黒猫チェルシー / THEラブ人間 / mol-74 / NakamuraEmi / 中村佳穂 / 七尾旅人 / ニカホヨシオ / noodles / OLDE WORLDE / Pampas Fields Noise Found Art / the peggies / リーガルリリー / Rei / ReN / 佐々木健太郎 / 下岡晃 / TheSpringSummer / Sundayカミデ / シュリスペイロフ / TRI4TH / uri gagarn / The Wisely Brothers / 山中さわお(the pillows) / YOUR ROMANCE
チケット:前売 1日券5,000円/ 2日通し券9,000円(ドリンク代別)※整理番号なし

Official Site

http://imaikegonow.com/

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