HOME ReportLive Reportビレッジマンズストア 「『正しい夜明け』リリースツアー」@DIAMOND HALL 2017/01/28

ビレッジマンズストア 「『正しい夜明け』リリースツアー」@DIAMOND HALL 2017/01/28

名古屋の代表として証明した「正しい」ロックンロール!

真赤なスーツに身を包んだ5人組が、暑苦しいロックンロールでDIAMOND HALL中の人々を熱狂させている。これは夢だろうか。いや、夢の中ではない。ビレッジマンズストアというバンドがロックンロールに命を懸け、ロックンロールで人と人の心を繋いだ正真正銘の現実だ。

ビレッジマンズストア 『正しい夜明け』リリースツアー3-1

「“あの”って言ったら自分に失礼だけど。あのビレッジマンズストアがこんだけ埋めるってすごくない?」会場をぐるりと見渡し、水野ギイ(ヴォーカル)は言う。昨年11月に発売されたミニアルバム『正しい夜明け』を引っ提げ、全国ツアーを回ったビレッジマンズストア。東京、大阪ではファイナルシリーズとしてワンマンライヴを決行し、両会場ともにソールドアウトと大成功を収めた。そして約2ヵ月に渡るツアーの集大成として1月28日、地元名古屋にてバンド史上最大のキャパシティとなるDIAMOND HALLでのワンマンライヴを開催したのだ。今までのライヴハウスの規模からすれば「挑戦」と言わざるを得ないこの決断に、周囲からは不安視する声や反対の声があがったことを水野は明かした。しかし冒頭に引用したMCの通り、蓋を開けてみれば本人たちも驚く程の大成功。名古屋代表としての誇りを胸にロックンロールを鳴らし続けてきたビレッジマンズストアと、彼らを信じるリスナーで証明した「正しい」夜となった。

照明が落ちると歓声と呼ぶにはあまりにも猛々しい雄叫が、フロアのあちこちから上がる。堂々と掲げられた「ビレッジマンズストア」のバックドロップはここが彼らの独壇場であることの証だ。その旗印を背に真っ赤なスーツの5人が位置につくと、期待と興奮が高まったフロアに一瞬緊張が走る。「ただいま名古屋!」と水野が開会宣言し「WENDY」がスタートすると、その緊張感から解放された観客がステージに喰ってかかる勢いで一斉にフロア前方に押し寄せた。その勢いのまま、2本のギターの応酬がご機嫌なロカビリー調のキラーチューン「逃げてくあの娘にゃ聴こえない」へ。手を叩き拳を突き上げ、体を前後に揺らして曲を体全体で楽しむ観客。不思議なもので、彼らのロックンロールを前にすると考えるより先に自然と体が動いてしまうのだ。一体なぜこんなにも彼らの音楽は体にダイレクトに働きかけるのだろうか。

ビレッジマンズストア 『正しい夜明け』リリースツアー1-1

Jack(ベース)と坂野充(ドラム)による重たいビートが体の芯まで響き渡るダンスナンバー「セブン」で、その秘密が分かった様な気がした。首にかけた白いファーを弄びながらステップを踏んだり踊ったりと、体全体を使ったパフォーマンスでフロアを焚き付けながら歌う水野。一転、後ろめたさの中にも郷愁にとらわれるやりきれない想いを描いた「盗人」では、ステージ前方で呆然と立ちつくし、半ば取り憑かれたように曲の主人公になりきって歌ってみせた。彼はギターを持たずに歌のみで楽曲を表現する、いわゆる“ピンヴォーカル”のスタイルを採っている。このスタイルこそが彼らのライヴに血を通わせ、人間臭いリアリティを与えているのだ。曲に合わせて踊り、声を振り絞って歌い、沸き起こる感情を言葉にする。その身ひとつで繰り出される文字通りの生身の表現は、心だけでなく聴く者の体全体に働きかけるのだろう。

「俺たちじゃねぇぜ、お前が貴様があんたが手を叩いた瞬間に愛知県名古屋市のロックンロールは始まったんだよ!」と水野が叫んだように、彼らはいつも自分たちの音楽を愛する人々の存在を忘れない。そしてその想いがリスナーにもきちんと伝わっているからこそ、彼らの晴れ舞台にこれだけ多くの人が集まったのだろう。しかしその関係性は、決して一朝一夕で築かれたものではなかった。メンバー紹介からスタートした「SITTO in the sky」では、ハイテンションなロックンロールに合わせて観客が「S・I・T・O」のサインを返すシーンがあった。だがこの曲が収録されたCDが発売された当時は「S・I・T・O」サインの呼びかけに応える観客がおらず、以来ライヴでの演奏を封印していたという。「今はあんたたちを信頼してるから、この曲ができます」と告げ、念願かなっての阿吽のコールアンドサインが実現したのだった。

ビレッジマンズストア 『正しい夜明け』リリースツアー6-1

このバンドには、大きな会場が似合う。そう感じた場面は多々あったが、そのひとつが岩原洋平(ギター)と加納靖識(ギター)による“ギターソロ合戦”が披露された「MIZU-BUKKAKE-LONE」だ。この日、観客全員に入場時に風船が配られており、曲前に水野の指示で一斉に膨らませてスタンバイしていた。そしていよいよソロ合戦が始まるとカラフルな風船が音を立てて一斉に放たれ、風船が飛び交うフロアへギターを持ったまま岩原と加納がダイヴ。観客の上を背泳ぎしながらも熱いプレイをして見せた。彼らが生粋のロックンロールバンドであることは言うまでもないが、エンターテイナーとしての素質も一級品なのだ。それもひとえに観る者を楽しませたいという彼らの想いが成せる業なのだろう。だからこそ、自由度の高い会場でもっともっと彼らのパフォーマンスを観てみたい。そう思わざるを得ないのだ。

ライヴを目前に控えた1月半ば、彼らは新しい音源を公開していた。タイトルは11月に発売されたミニアルバムと同じ「正しい夜明け」。この曲を前に、水野の想いが堰を切ったように溢れだした。立つ場所も生活も、自分の全てが間違っていると思い続けて来たという水野。「正しい夜明け」というタイトルも、そんな自分を皮肉って付けたものだと吐露する(終演後配布された「正しい夜明け」のCDの盤面には「誤」の字を並べて「正」の字が描かれていた)。「俺は臆病だから、自分の価値を自分で決めることができない。だからこそ、この結果はお前が作った答えだ。お前が、腐りかけてた俺達にくれたひとつの正しさです。本当にありがとう」と改まって会場を埋め尽くす観客への感謝を述べる。さらに「ありがとうじゃ足りないから、俺からも俺に似たお前に言わせてもらうよ。ここから観たお前の顔はめちゃくちゃかっこいいぞ!ここから観た景色はめちゃくちゃ楽しいぞ!」と続け、ビレッジマンズストアの音楽を愛するという選択も「正しい」ものだと証明することを観客たちに誓い、演奏を始めたのだった。

ビレッジマンズストア 『正しい夜明け』リリースツアー8-1

本編ラストを飾ったのは、所々に歌謡曲の要素を感じるビレッジのお家芸的ロックンロール「PINK」。水野は時折ステージにうずくまり渾身の力を込めて歌いあげ、フロントの3人も噛み締めるようにそれぞれ歌を口ずさんでいる。そして最後は「愛知県名古屋市代表ロックンロールバンド・ビレッジマンズストアでした」と叫び本編を締め括った。常に「名古屋の代表」という自負を持って活動する彼らだからこそ、全国ツアーを経てのこのワンマンの成功は故郷へ錦を飾る形となり、感慨も一塩なのだろう。その後アンコールでは「ロマンティックに火をつけて」「地獄のメロディ」の2曲が演奏されたものの、メンバーがステージを去ると再び強烈な「アンコール!」が巻き起こり、すぐさまダブルアンコールへと突入していった。

「わかってくれるかな。俺たち、ちょっとずつ前に進んどるよ」。正真正銘の最終フェーズを迎え、再び水野が語り出した。DIAMOND HALLでのワンマン成功は、彼らにとっても大きな前進となったことは間違いない。それでも、やりたいこともやっていることも何も変わらないという水野。「この声がなくなるまで俺がここに立っている意味は何なのか。俺があんたより高いところに立っている意味は何なのか。お前を探すためだよ!向かい合ってるのは何のためか!お前を見つけるためだよ!」文字にしたらただのキザな台詞に見えるだろう。けれどもどんな苦境でもライヴハウスのステージに立ち続けた彼らにとっては紛れもない真実の言葉。だからこそ、胸を張って言い切れるのだ。

ビレッジマンズストア 『正しい夜明け』リリースツアー9-1

「君がロックバンドを必要としなくなる時まででいい。その時が、この声が終わる時が最後だ!その時まででいい、俺たちロックバンドと君の場所、ライヴハウスで一緒に遊ぼうぜ」と叫び、ラストナンバー「眠れぬ夜は自分のせい」を熱唱した。曲中、フロアへ銀テープならぬ赤テープが放たれると、アンコール以後真っ赤なスーツからTシャツに着替えていたステージ上のメンバーに代わり、テープを掲げた観客の手がフロアを真っ赤に染めた。曲が終わり、いよいよ終演の時が刻一刻と迫る。心地よい疲労感と愛おしさで満たされた空間には、もう多くの言葉はいらなかった。水野が最後に言った「ずっと遊ぼうな」のひと言が、正しい夜を全うし、じきに迎える「正しい夜明け」の先にある未来への約束のようにDIAMOND HALLに響き渡ったのだった。

(文:イシハラマイ 写真:前田達也)

 

セットリスト
1. WENDY
2. 逃げてくあの娘にゃ聴こえない
3. セブン
4. スパナ
5. 僕を撃て
6. 盗人
7. SITTO in the sky
8. 車上A・RA・SHI
9. ユーレイ
10. ビデオガール
11. 夢の中ではない
12. ビレッジマンズ
13. MIZU-BUKKAKE-LONE
14. ミラーボール
15. 最後の日曜日
16. 正しい夜明け
17. 変身
18. 帰れないふたり
19. PINK
EN1. ロマンティックに火をつけて
EN2. 地獄のメロディ
WEN1. 眠れぬ夜は自分のせい

 


 

ライヴスケジュール

「灼熱地獄のロックンロールショー!!〜UPSET中井50歳祭り〜」
・2017年3月3日(金) 愛知/池下UPSET
w /  STANCE PUNKS / がらくたロボット

「見放題東京2017」
・2017年3月4日(土) 東京/新宿LOFT / 新宿LOFT BAR / 新宿MARZ / Shinjuku Live House Marble /新宿Motion / ACB HALL / RUIDO K4 / Zirco Tokyo / 新宿SAMURAI
w / グッバイフジヤマ / The Floor / グミ / The Skateboard Kids / mock heroic / Utopia League / THEラブ人間 / the irony / LUCCI / セプテンバーミー / バンドごっこ / deronderonderon / さしすせそズ / CRAZY VODKA TONIC / QOOLAND / Shout it Out / POT / パノラマパナマタウン / おいしくるメロンパン / クリトリック・リス / セックスマシーン / ジョゼ / それでも尚、未来に媚びる / みるきーうぇい / 密会と耳鳴り / 宇宙まお / MOSHIMO / yEAN / BALLOND’OR / 0.8秒と衝撃。 / the twenties / フィッシュライフ / バズマザーズ / め組 / 愛はズボーン / Bentham / SIX LOUNGE / Hump Back / ハルカミライ / さよならポエジー / Age Factory / Cloque. / Unblock / ReVision of Sence / DJライブキッズあるある中の人 / polly / カフカ / BURNOUT SYNDROMES / ザ・チャレンジ / ドラマストア / Summer vacations / FABLED NUMBER / パンパンの塔 / THE BOY MEETS GIRLS / shimmer / アシュラシンドローム / ぐるたみん / OVER THE DOGS / All Found Bright Lights / Re view / Shiggy Jr. / 日食なつこ / GOODWARP / リアクション ザ ブッタ / EVERLONG / ミソッカス / CRAZY WEST MOUNTAIN / The Cheserasera / ONIGAWARA / uchuu, / 小南泰葉 / サクラメリーメン / セカイイチ / フレンズ / CHAI / オメでたい頭でなにより / WOMCADOLE / 絶景クジラ / LOST IN TIME / 沢田バンド / Saucy Dog / ウソツキ / プププランド / 黒猫チェルシー / サティフォの日 / ココロオークション / バックドロップシンデレラ / モノブライト and more…

「THE PINBALLS『PLANET GO ROUND RELEASE TOUR』」
・2017年3月5日(日) 千葉/LOOK
w /  THE PINBALLS / Large House Satisfaction

「高崎市ヲ解放セヨ~オメでたいウンザを踊る赤村民~」
・2017年3月10日(金) 群馬/高崎FLEEZ
w / バックドロップシンデレラ / オメでたい頭でなにより

「AKAミソパニッククーデター」
・2017年3月15日(水) 愛知/名古屋CLUB QUATTRO
w / ミソッカス and more…

「男たちの冬祭り vol.5」
・2017年3月16日(木) 大阪 / 十三FANDANGO
w / アルカラ / THE SKIPPERS / クリトリック・リス

詳しくはオフィシャルサイトまで

 

チケットぴあ 中部・北陸

Official Site

http://villagemansstore.com/

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