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PLASTICZOOMS 『SECRET POSTCARD』

大人のポップス

四つ打にハイトーン・ヴォイス、あるいはごりごりに歪ませたギターの上に重なるスクリーム。これらは現代のロックシーンにおいての、いわゆるポピュラー・ミュージックだと思う。多くのバンドはこの流行に乗っかってポピュラー・ミュージックをたくさん生産している。そんな画一化したシーンの中で、密かに、しかし着実に変化を遂げながら、自分達にしかできない音楽を鳴らしているバンドがいる。それがPLASTICZOOMSだ。

D.I.Y精神に重点をおき、感性の赴くままに音を鳴らし続けてきた彼らは、ゴシック・ロックやニュー・ウェイヴ、ポスト・パンクなど様々な引き出しを持っている。その日本人離れしたサウンドからはバンドの土地の匂いを感じさせず、結成以来、数々の海外バンドとの共演を果たし、デビュー作はイギリスの老舗レコード店で取り扱われている。またファッション面でも独自のアート性を披露しており、国内外のブランドとコラボレーションを果たすなど、様々な方面から支持を受けている。

 

今回のアルバムに収録されている楽曲はどれもポップスの要素を持っているのだけれど、それは普通のポップスではなくて、落ち着いた、大人のものというようなイメージを受けた。ヴォーカリストSHO ASAKAWAの心地よい低音の声が、曲から浮き出た生々しいポップさを持つギターフレーズをほどよい具合におさえている。そのためこんなイメージを持ったのだと思う。また、それゆえ、彼らの楽曲はゴツゴツで無機質なサウンドにも、シンプルできれいなサウンドにも一切違和感なく対応してしまうのかもしれない。実際にM.4「Wire Tensioning Method」では、SHOの声が加工してあり、メロディーは単調である。それにもかかわらず、その上にシンセサイザーやギターが丁寧に色をつけていくことで、なんともいえない神秘的な音の広がりが生まれる。またM.7「The Morning Sun」でバックサウンドがピアノ伴奏になったときに見せる壮大さとその心地よさは、やはり並大抵のバンドではなかなか出せないものだ。また、SHOの書く詞は、その楽曲からは想像できない程に美しく、優しい。
全ての曲が英語で書かれているのだが、歌詞の意味をふまえる前と後とでは、曲の印象や響き方が優しく変わった。楽曲に対する歌詞の意外性も彼らの魅力の一つだ。

 

PLASTICZOOMSは、現在のロックシーンだけではなく、ライヴハウスシーンにおいても特殊なポジションにいる。その理由の一つとして、彼らが他のバンドと行っているライヴイベント”BODY”の存在が上げられる。BODY”は、2013年にPLASTICZOOMSがLillies and Remainsと共催したライヴイベントで、2014年には新しくTHE NOVEMBERSが加わった。Lillies and RemainsとTHE NOVEMBERS、どちらもPLASTICZOOMSと共通するバックグラウンドを持ち、彼らと同じように、音楽性だけではなくファッション、アートなどの方面からも多大な支持を誇るバンドだ。彼らは確実に自分達の道を作り出し、その道をたどるリスナーも増えている。あなたは身体で感じる音楽やライヴを知っているだろうか。今年の開催はもうすでに終わってしまったが、来年度からもこのイベント”BODY”で、進化を遂げているだろう彼らのそれを体感したい。


 

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ツアースケジュール

PLASTICZOOMS “SECRET POSTCARD” Release Tour

・2014年11月22日(土)名古屋 池下CLUB UPSET

・2014年11月23日(日)大阪 心斎橋CONPASS

・2014年12月5日(金)東京 渋谷CLUB ASIA

 

各ツアーの詳細はオフィシャルサイトまで

Official Site

http://plasticzooms.net/profile/index.html

AUTHOR

西村 理佐


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